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空手バカ一代と行く、JDまどかの心霊探索ツアー  作者: AKTY
第7話 オカ研たちの夏合宿―田舎の事故物件編―

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第7話―1 まどかリターンズ

 夏の強烈な紫外線をその身に浴びながら、神谷かみやまどかは原付バイクを運転していた。チリチリと肌を焦がす刺激に、なにか羽織ってくればよかったと後悔した。


 あのキラキラ☆ギャルと違ってスキンケアには無頓着な円。日焼け止めもろくに使わない。若さにあぐらをかきすぎだ、黒まどかなんて誰が望むというのか。しかも彼女が黒く焼けたところで黒ギャルになったりはしないのだ。せいぜい夏のワンパク小僧になるのが関の山である。


 まあ円だって好き好んでこんな日差しのなか外出したわけではない。そう要請されたから渋々足を運んでいるのである。


 借りたカメラの返却の件で円がメッセージを送ったところ、すぐに返信があった。どうやらちょうどいいタイミングであったらしい。こちらとしても話がある、みんなの予定を確認してから日程を折り返し連絡すると伝えてきた。そしてその日のうちに集合日時が送られてきた。


 少し面倒に思ったが、カメラを無償で借り受けた身だ。それに話というのはおそらくこの前言っていたあのことだろう。それなら円にも興味があった。


 駐輪場に原付を止めて、暑さにうだりながらサークル棟へ向かう。もうすっかりおなじみとなった超常現象研究会、通称オカ研の部室にやってきた。トントンとノックをするとすぐに返事があり、円はドアを開いた。


「あ~神谷さんおつかれ〜」オカ研会長・三浦弥幸みうらみゆきがその見目麗しきルックスとは不釣り合いの緩い調子で声をかけた。


「ウッス、おつかれっス」円はそう言って軽く首を上下させる。


 見るとやっぱり和道凛子わどうりんこが弥幸のそばにいて、なにやら威嚇するように、円に鋭くガンを飛ばしている。円はそれを華麗にスルーして、持ってきたカメラのケースを弥幸に手渡した。


「カメラありがとうございました」それだけ言って円は定位置の椅子に腰を下ろした。


「どうだった?ひとりかくれんぼ。なにかいいの撮れた?」弥幸は興味津々といった様子で問いかける。


「いえ、もうサッパリでした」円は簡潔にそう答えた。


「あ、そう、それは残念だったね⋯⋯でも次はきっといけるよ」と弥幸は自身が落胆しつつも励ますように言った。


 そんな慰められるほどのことでもないのだが円は一応頭を軽く下げ、愛想笑いを浮かべた。


「あ、でもね、代わりといってはなんだけど、その日コリンちゃんがすごい体験したみたいだよ」と弥幸は楽しそうに笑った。


「すごい体験ですか?」聞き返しながら円は凛子の方をチラッと見た。彼女の顔は弥幸ほど面白そうではなかった。


「そうそう、夜中になんか心霊体験したらしいよ」


「もう~せんぱ〜い、そんな話すようなことじゃないですって〜気のせいかもだし〜」凛子はいつもの甘ったるい声だが、どこか本気の響きを円は感じ取った。


「え〜でも英依はなえさんも言ってたんでしょ〜?なら間違いないよ」弥幸は凛子の制止もお構いなしで興奮している。


 そんな時ノック音が。弥幸が返事をすると「失礼します」と有明省吾ありあけしょうごが扉を開けて入ってきた。


「おっ、有明くん、おつかれ〜」


 弥幸が声をかけると省吾は丁寧に礼をしながら「おつかれ様です」と返し、席に着いた。


「よ〜し、みんな揃ったことだし、コリンちゃんの話しようか。ね、いいでしょ?」弥幸は了承を得ようと凛子に目を向けた。


 その視線に凛子は抗えない。恥ずかしそうに頬を赤く染めながら「どうぞ」とだけ答えた。


「どうする?コリンちゃんが話す?えっ僕から話していいの?それじゃあね――」


 弥幸は全員の顔を見て頷くと、じっくり間を取って気を鎮め、凛子の体験談を情感込めて語り出した。



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