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空手バカ一代と行く、JDまどかの心霊探索ツアー  作者: AKTY
第18話 ホントにあった !? 呪いの英依コレクション―文化祭騒乱編―

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第18話―7 考察 英依先輩は本当に怖いのか?

 その後は道の途中の店や出し物をちょっとずつ冷やかしながら、オカ研の展示会場まで戻った。そのなかで(まどか)は意外なことに気がついた。英依(はなえ)がけっこう顔が広いのだ。行く先々で声をかけられ、その度にフランクに応対している。


 隣の村上であれば、この豪放磊落な性格だ、そうであろうと思えるのだけど、あの英依である。ていうかみんな怖くないの?どして?と円は首を傾げた。


 しかしここで思い出してみてほしい。そもそも英依はそんなに恐れられているのだったか?円と省吾(しょうご)はたしかにいつも怖がっているのだが、その他の者は?


 女性にしては大柄な体躯を、黒尽くめのゴシックドレスに包みこんだそのスタイルは、たしかに初見の人間に異様さと威圧感、そして警戒心を覚えさせる。だが付き合ってみれば別に暴力的なところはないし (※) 、言葉遣いも丁寧。それになにより、人の目を惹きつけるカリスマ性のようなものを備えていた。けっして円がイメージするような、灰皿で下の者を教育するような人物ではない。


※ 村上へのヒザ蹴り、テンカオを覚えている方もいらっしゃるかもしれないが、あんなのは例外である。なにせ相手は脳筋ゴリラ。じゃれついてきたのに構ってあげただけのこと。あとコリンちゃんへのビンタもあったね。でもあれはあくまでも除霊だから。コリンちゃんのためなんだ。優しいね。


 もちろん怪異たちは別である。それは前回ご覧いただいたとおり。彼らにしてみれば己の存在を脅かしかねない天敵、天災の類である。恐れて当然なのだ。ならば円は、省吾はなんなんだ?実は怪異の仲間であったか?さもあらむ。実は彼らの身体には千年を遡る大妖怪の血が!それが今後重大な事件へと発展していく⋯⋯


 いやいや、ないない。ないからね。そんな伝奇ロマン的な流れにはならないから。とりあえず省吾に関して言えば、闘いに身を置く者の本能であろう。英依の内に隠された恐るべき実力を感じているのだ。それは村上も同様ではあろうが、なぜかアイツは恋の方に向かったので恐れてはいない。いや、ある意味恐れてはいるか。嫌われないようにアイツなりに気を遣って、恐る恐る接してはいる。


 円はどうか?あれ?アイツなんでビビってんの?バカじゃねえの?


 まあ円は基本的には全人類にビビっている。だから英依のような人物に恐怖感を抱くのは当たり前だ。さらに初めて会ったその日に、彼女のことを恐れる省吾の言葉を聞いた。これも刷り込みとしてデカかった。さらにさらに、英依の破天荒な怪異への振る舞いを目撃し、この時点でまどかヒエラルキーの上位に固定されたのでもある。もう今後これが覆ることはあるまい。円は永遠に英依先輩の舎弟であり続けるだろう。



 そんなことはさておき、一行はようやく帰ってきた。オカ研の、あの地味な地味な展示会場に。3号館に入ると、少しは人の姿があって、円なりにホッとした。これなら客がゼロではないだろう。あんなクソめんどくさい作業を何日もさせられて、成果なしではさすがにやるせない。実際部屋にはチラホラと展示を眺めている人の姿があった。


「おう、弥幸(みゆき)、おつかれさん」と、結局ここまでくっついてきた村上が声をかけた。


 声がデケえよクソ脳筋ゴリラ!客が逃げるだろうが!と円は睨みつけた。ほらほら、見物してた人が出ていっちまったじゃねえか。ここはお前らのとこと違って、知的で文化的な、博物館みたいな場所なんだからな!


「竜一、うるさい」と英依がたしなめたがもう遅かった。またたく間に客はゼロに。


 そうかそうか、きっとここに来る人たちは喧騒から一時逃れるのが目的なのだ。だからたいして興味もない、こんな展示を眺めていたりする。円は自分の高校の文化祭を思い出した。円自身も人の目を避けるために、客のいない出し物や、非常階段の片隅などで時間を潰したものだ。


 ボッチの同士よ、君たちの気持ちはよくわかるぞ!独りぼっちは、寂しいもんな⋯⋯ま、でもいまの私はボッチじゃないけどね〜、フヒヒサーセン、お仲間じゃないんですわ。などと勝手な妄想から知らない他人にマウントを取りつつ、円は会話する仲間たちの輪の中へ入っていくのだった。



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