表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空手バカ一代と行く、JDまどかの心霊探索ツアー  作者: AKTY
番外編 英依先輩と遊ぼう―魔術実験編―

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

105/145

番外編―4 召喚!

 ランタンのスイッチをOFFにすると、室内はかなり薄暗くなった。4本のロウソクの仄かな灯りが魔法陣を照らし、そこだけ浮いたように見える。


 英依はなえはその魔法陣の中央に歩いていき、しゃがみこんだ。持っていた箱を開き、中身を取り出している。どうしても好奇心を抑えきれないまどかは、ソローっと英依の後ろに来て、彼女の手元を覗き込む。


「ゲッ」思わず声が出た。やはりというかなんというか、英依はこの前入手した新アイテム、"井戸" が封じられた鏡を手にしている。


 円の声が聞こえたのか英依は振り向き、その手の鏡を顔の横に掲げるとフフンと鼻で笑った。


「ちょっ⋯⋯先輩、それこの前の鏡!どうする気です?」円は不安と興味と両方がないまぜになった複雑な心境で尋ねた。


「ん?だってほら、これって異世界と通じてたわけじゃない?召喚の儀式と相性いいかなって」当然だろ?とでも言うかのように、英依はサラッとそう言うと、魔法陣の中央に鏡面を表にしてセットした。「これで⋯⋯うん、たぶんいけそうね」


 自分自身が危険な目にあいかけただけに、さすがにドン引きの円であったが、相手が相手だけにそんなのやめときましょうよとは言い出し難い。そこで、「大丈夫ですか?」と控えめに問いかけるに留めた。


「平気平気!」と英依は軽い調子で請負った。「なんかあったら、ほら、私たちには有明省吾ありあけしょうごがついてるじゃない。ねっ、省吾、いけるでしょ?」


「押忍」省吾はそう言いながら、両腕を胸の前から腰のあたりに下ろすポーズを取る。


(いやいや、押忍じゃねえわ。お前らいつからそんな師匠と弟子みたいな関係になったよ?)円は内心そうツッコミを入れながらも、もう苦笑するほかなかった。


「じゃあ始めるわよ」英依は魔法陣から距離を取ると、いつの間にか手にしていた黒い表紙の本を開いた。そしてなにやらモゴモゴと口の中で唱えている。


 息を呑んでその様子を見守る円。その数歩後ろでは省吾がジッとその時が来るのを待ち構えている。


 英依の詠唱は延々と続いた。言っている中身は円には聞き取れないが、その真剣な表情から、これが冗談の類ではないことを読み取った。室内の空気もいまや緊張で張り詰めている。自分の心臓の鼓動がドキドキと煩わしい。唾を飲み込むことすら躊躇われた。


 そんな時間の果てに、ついに英依の声が完全に途絶えた。彼女は手に持った本を前方に差し出すと「来るわ」と静かに言った。


 急にまばゆい閃光が、おそらくは床に置かれた鏡から放たれた。円は反射的に目を瞑り、両手を顔の前にかざした。


(ヤバいヤバいヤバいって!)瞼の裏で感じる光の奔流に気持ちが動転する。これってホントに召喚しちゃったんじゃないの?悪魔とか、下手したら魔王的なヤツが出てくるんじゃ⋯⋯


 ポンッ


(ん?ポン?)円は耳に聞こえたなにやらコミカルな響きに、そおっと目を開いた。すでに光は収まっていて、元の明るさに戻っている。しかしひとつだけ前とは違っていた。


 ロウソクの灯りの中央、魔方陣の真ん中に蹲るように――小柄な少女が現出していた! 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ