家族の真実
神山家では今家族でリビングに集まっていた。その場に雫やコンはいない。悟が相川たちに預けたのだ。
「母さんたちは知ってたのか?」
悟は真剣な顔つきで訊いた。
「・・・・うん。ごめんなさい黙ってて」
俯きながら母は言った。
「じゃあ、母さんたちも?」
「いや・・・魔族なのは悟、お前だけだ」
母の代わりに答えたのは父だった。
「なんで・・・?」
「友香・・・?」
友香が俯きながら言った。
「なんでお兄ちゃんが・・・!?」
「友香・・・落ち着け」
友香は泣いていた。今まで普通に血のつながった兄だと思っていた人が実は違って、しかも魔族だったという状態に混乱しているのかもしれないし、ショックだったのかもしれない。
「お兄ちゃんは何でそんなに落ち着いてられるの!?お兄ちゃんはショックじゃないの!?」
「ショックだったよ・・・でもさお前が妹であるのは変わりないだろ?」
「・・・!」
悟は笑みを浮かべて友香の頭を撫でてやった。すると友香は泣き止み悟と同じように笑みを浮かべた。
「・・・・そうだね。ありがとうお兄ちゃん」
そして、再び泣き始めてしまったが、今度は嬉し涙のようだ。
「私、部屋に戻ってる・・・私には魔族とか分からないし、この後の話を聞いても理解できるか分からないし・・・・それに、どんな話を聞いても、お兄ちゃんがお兄ちゃんであることは変わらないしね」
友香は笑顔でリビングから出て行った。
悟は今日ほど友香が妹で良かったことは無いと思った。あの子は本当にいい子だ。恐らく両親もそう思ってるだろう。
「で、俺は誰の子なんだ?」
真剣な顔つきに戻って悟は訊いた。
「私たちの友達の子よ。彼女も魔族であなたと同じく不死身だった」
母が答えた。
「じゃあ、なんでその人はいないんだ?」
「分からないの・・・・突然行方不明になって・・・」
困ったように俯いて母は答えた。
「僕たちは親友だった。彼女を通して魔族の存在を知った。そして、僕たちは結婚し、彼女も他の人と結婚した。そして悟が生まれた」
父が語り始めた。
「しかし、突然彼女は悟を僕たちに預けて、どこか行ってしまったんだ。理由は魔族内で起こった事件としか言わなかった。魔族の存在は知っていたが魔族の事情などは知らなかったので僕たちは何も言えず見送ることしか出来なかった」
悔しそうな表情を浮かべ父は続けた。
「僕たちにできることはお前を立派に育てることだった」
「じゃあ、雫のこととかをすぐ信じてくれたのは・・・」
「ああ、何の力にもなれなかった償いみたいなものだ・・・まぁお前はこんなことする必要なく、信じるに値する立派な青年になってくれたけどな」
最後には笑みを浮かべ父は言った。
「そうだったのか」
「本当にごめんなさいね」
涙をこぼしながら母は言った。
「母さんは聞いてなかったのか?」
「・・・え?」
「友香と同じだよ・・・血のつながりとか関係ない。俺にとって母さんは母さんだし、父さんは父さんだよ」
笑みを浮かべて悟は言った。
「・・・ありがとう」
それを聞いて母は涙を流した。




