これから俺は
「おっす」
「あ、神山君。もう終わったの?」
悟は学校に来ていた。そこの秘密基地に雫たちを相川たちに預けていたからだ。
「ああ、俺だけ血がつながってないってよ」
「そう・・・」
「なにお前が悲しそうにしてるんだ?」
「え?」
「確かに血がつながってないのはショックだったけど、俺らが家族なことに変わりはないからな」
清々しい笑顔で悟は言った。
「もちろん、雫とコンも家族だ」
「うん!!」
「ありがとうございます」
雫とコンがそれぞれうれしそうに笑いながら言った。
「これから俺はお前らのために生きるよ」
悟の言葉に相川は頭に?マークを浮かべた。
「どういうこと?」
「俺は不死身じゃん。これから永久的に生きていくわけ、それに比べてお前の人生は五・六十年くらいしか無い。だから俺はその短いお前らの人生が幸せなものであるように全力を尽くすよ」
「そんな・・・人生の長さとか関係ないよ、あなたの人生なんだから」
「ああ、俺の人生だ。だから俺の好きにさせてもらう」
笑みを浮かべて悟は言った。
「悟!カッコいい!!」
「ありがとう雫」
目を輝かせて興奮気味に言った雫に悟は礼を言った。
「あっぱれな心意気だな」
その時入ってきた日向が言った。どうやら聞いていたようだ。
「ありがとうございます。日向さん」
「私たちも頼めるのかな?」
「もちろんですよシノさん」
悟の言葉にシノは微笑んだ。
「もちろん、月さんもですよ」
「え・・?あ、ありがとう」
不意に言われて慌てるように月は礼を言った。
「なんか、最初自分が不死身だと分かった時は残念だった、俺は皆の死に立ち会わないといけないから・・・でも気付いたんだ。その死が残念なのはその人生に悔いがあるからじゃないのかって、だったら悔いを残さない楽しい人生になるように俺が手助けしようって、そう思ったんだ」
そう、悟は今回、起こった事件を考えて思ったことは、みんな笑顔で人生を送ってもらいたいという事だ。あのままみんな死んでいたら誰も笑顔にはなれなかった。死んでしまった者はもちろん、殺してしまった雫も・・・誰も幸せじゃなかった。
生きてる幸せ。それを不死身だからこそ感じさせられたと悟は思ったのだ。
「悟さん・・・」
「どうした、コン?」
コンは恥ずかしそうに顔を赤らめている。
「その・・・私も、悟さんのことをお兄ちゃんって呼んでいいですか?」
「コン・・・もちろんだよ。言っただろお前も家族だって」
「うれしいです・・・お、お兄ちゃん」
顔をさらに赤くしてコンは言った。
「私も、私も~」
「もちろんだ!雫」
嬉しそうに笑顔で雫は言った。
そう、この笑顔だ。この笑顔を絶やさないように生かせていかないといけない。
「おにいちゃ~ん」
「お前も言うのかよ!!」
どさくさに紛れて呼んできたのは相川だった。
「ダメ?」
「え?ダメと言うか。流石にそれは恥ずかしいというか・・・」
「まぁ冗談だから」
ちょっとふてくされたように相川は言った。
「しょうがないな・・・じゃあ、薫!」
「・・・え?」
「お前も下の名前で呼べよ。悟って」
ちょっと顔を赤らめ頬を掻きながら悟は言った。
「悟君」
「はは・・・ちょっと恥ずかしいな」
「でもうれしい」
いつも無表情の相川が嬉しそうに笑顔を見せて言った。
・・・そうだな、相川の表情ももっと豊かにしたい。悟はそうとも思った。
これから、色んなことが起こるだろう。雫たちの成長や相川の笑顔。どんどん目標や夢が広がっていく。
悟の・・・皆の人生はまだまだこれからだ。




