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思いのほか平和だった

 運命の日が来た。

 思っていたよりもしっかり眠ることが出来た悟は雫とコンを連れて秘密基地に向かっていた。

「やあ、ついにこの日が来たね」

「風間・・・」

 その道中声をかけてきたのは風間だった。

 雫とコンは風間の姿を見るとすぐに悟の背後に回って身を潜めた。

「最後までなついてはくれなかったね・・・」

 苦笑いを浮かべ少し悲しそうに風間は言った。

「最後ってどういう事だ?」

「今日は運命の日だ。結果がどうなろうと今日が終わると同時にこの一件は終わる」

「え?」

「予言と違う現実と言うのは未来を変えるようなものだ」

「まさか今日を乗り越えるともう雫の最悪の未来もなくなるのか?」

「もちろん絶対とは言い切れないがその可能性は高い」

「そうか」

 素直にうれしくなって悟は笑みを浮かべた。

「まぁいい結果になる事を祈ってるよ」

「・・・」

 風間は笑みを浮かべていたが悟にはその表情に冷たさを感じた。

 なぜだ・・・?

 悟には分からなかった。なぜそんな表情が出来るのか。いったい何を企んでるのか。

「どうした?」

 悟の目の前にひょっこり雫の顔が現れて悟は我に返った。

「え?いや何でもない」

「大丈夫ですか?」

 コンも心配そうに訊いてくる。

「ああ、大丈夫!」

 元気な笑顔で悟は答えた。そして再び基地に向かって歩き始めた。


「順調だ・・・予定通り行う」

 風間は悟と別れた後、角に隠れていた人物に話しかけた。その表情には笑みは無く真剣な顔つきになっていた。

「了解・・・しかしお前もひどい奴だな」

「ふふふ・・・僕は自分で良い奴なんて言った覚えはないよ」

 不気味な笑みを浮かべて風間は言った。

「悪いね神山君」


「いや~思っていたより平和ですね」

 のんびりお茶をすすりながら悟は言った。

 地球が滅ぶかもしれない日だというのに当の雫には特に変化はなく、静かに今日を終えそうな雰囲気だ。

「まぁ雫ちゃんが覚醒しなければ何でもない日だからな」

 日向もお茶を一口飲んで言った。

「二人とも気抜き過ぎよ」

「すみませんシノさん。でもなんか拍子抜け過ぎて・・・」

「そうなる気も分からなくもないけど、何があるか分からないんだから」

 まさにお姉ちゃんが弟にするような注意をされた。

「「すみません」」

 悟と日向は小さくなって反省した。

「今何時だ?」

 何時間も基地で過ごし、外が暗くなっているのに気付いた日向が訊いた。

「七時過ぎたところです」

 相川が時計を見てそう言った。

「そろそろ帰って大丈夫だろ。相川送ってやれよ」

「いや大丈夫です。歩いて帰りますよ」

「大丈夫か?」

「はい。今の雫の状況を見てわざわざ覚醒のリスクを冒してまで殺そうとしてくる奴はいないと思います」

 雫は今遊び疲れて寝てしまっている。これを見る限り覚醒しそうな雰囲気は皆無だ。今の雫に攻撃して負の感情を起こして覚醒させるくらいならこのままにして明日になり予言をなかったことにした方がお互いに良かろう。

「そうだな・・・まぁ良いだろう。だが何かあったらすぐに呼べよ」

「はい」

 そう言って悟たちは帰路に着いた。

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