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平和な日々

 悟は教室で授業を受けていた。しかし、ちゃんと聞いたりノートを取ったりするわけでもなく、ただボーっと窓の外を眺めていた。

「どうしたの?」

 休み時間になり相川が悟に話しかけてきた。

「いや・・・何か平和だなぁと思って」

 雫を保護してからの数日は色々なことがありすぎて身体的にも精神的にもボロボロになっていた。しかしここ何日かは、『最悪』の悪魔や『化け猫』を保護しているとは思えないほど平和で雫な日が続いていた。

「まぁ当然っちゃあ当然なんだけどな。コンと一緒に住むようになって商店街に暇つぶしに行くことも少なくなったからな」

「そうね。さらに家と基地には日向さんの結界があるから」

「そうだな。しかもあの二人は良い子だから、ちゃんと言う事聞くんだよ」

「うれしそうね」

「まあな」

 いつの間にか悟は自分の子を自慢する父親のようになっていた。

「私たちの子供も良い子にしましょうね?・・・あなた」

「しましょうね?じゃねぇよ!俺らは夫婦じゃない!・・・ってか久々に来たなこれ・・・」

 相川がちょくちょく絡んでくるおかげで悟のツッコミスキルは順調にアップしている。

「それは置いといて・・・」

「置いとくのかよ!」

「ちょっとうるさい」

「あ、ごめんなさい」

 少々調子に乗ってしまった悟は相川に叱られて反省した。

「油断はしないこと」

 真剣なまなざしで相川は言った。

「ああ、分かってるよ」

 そう言って悟は立ち上がった。

「どこ行くの?」

「基地だよ」

「なら私も行くわ」

 そう言うと相川は悟の手を握り始めた。

「・・・何やってるんだ?」

「一緒に行くから」

「まさか、瞬間移動しようとしてるのか?」

「周りに人間が多くいるところでは使わない」

「じゃあ、なおさら何やってるんだ?」

「別にいいじゃない」

「よくない!」

 悟は即ツッコんだ。周りの生徒からの視線が気になる。悟たちをを見ながらヒソヒソ会話をする者もいる。

「と、とにかく行くぞ」

 その場にいるのが恥ずかしくなった悟は相川の腕を引っ張って急いで教室から出て行った。

「きゃっ大胆」

 引っ張られた相川がそんなこと言っていたが悟は無視した。


「おっす雫、コン」

「おっす悟さん」

「お、おっす・・・です。悟さん」

 相川によって溜まったストレスを発散するように元気よく基地に入ってきた悟の対して、雫はハイテンションで答え、コンは恥ずかしそうに答えた。

 今のあいさつを見るだけでも分かるように二人の性格は正反対だ。ハイテンションで元気な雫。そして恥ずかしがり屋で物静かなコン。

「二人とも元気そうで何よりだ」

 短い休み時間、そんな少ない時間でも雫やコンの元気な姿を見るのは悟の日課となっていた。

「もう時間か・・・」

 悟は腕時計を見ながら言った。

「・・・もうですか?」

「ああ、ただの休み時間じゃしゃーないな」

「またくるわ」

 相川も二人をなだめるように言った。

「今度、一緒に遊ぼうな」

「約束だぞ~」

「ああ」

 そう言って悟と相川は基地を出て行った。



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