合図を
私はバレンシア達と共にドレスに着飾ると、公爵家の馬車で王宮に向かった。
着いて直ぐ、通路で待つアクタリウス軍と目線で会話をする。
王宮の下級侍女と下級侍女が慌て私達を出迎えた。
「何も知らせも無いのに急に来られるなんて!?」
「これ以上中に入るのはお辞めください!!」
二人は慌て私達を止めようとする。
「私は正当なる王族直系の公爵家嫡女よ。貴方達こそ、身分と立場を弁えなさい」
私は扇を閉じると、不愉快そうに目を細めて二人に言う。
そう、20年前の事件から既に王宮の使用人や騎士は、暗部の分家を残して下位貴族しかいない。
「っ!!」
「血筋をひけらかすおつもりですか!?」
侍従は意味に気付いて青ざめるが、意味を理解しない侍女は喰って掛かる。
公爵家直系が血筋を示して王宮に入るのは、国の有事の際を示す。
つまり、侍従はその意味を知っていて青ざめたが、侍女は意味を理解できなかった。
「下級侍女ごときが、キサラ様に無礼ですわよ?」
私の前に立ったルビーナは、素早く扇を下級侍女の首筋に突き付ける。
「ふむ、可哀想ね。高位貴族ならば分かる常識も分からないなんて気の毒な事」
笑って私は侍女に言うと、慌て侍従が侍女を取り押さえた。
「シュラウナ、合図を」
「承知致しました」
堂々と前を歩きながら私はシュラウナに命じる。
シュラウナは窓を開けると、外に向かって光魔法を発動した。
光魔法にあらかじめ七色の色を付けたので、空に虹色の光が放たれた。
それを見届けたアクタリウス軍は、それぞれ剣を抜いて下級騎士に斬りかかる。
殺さないようにお母様が命じたので、手加減しての捕縛となった。
「このまま玉座を返して貰いましょう。玉座について良いのはお父様だけよ」
「「「「御意」」」」
私の言葉に四人は返事をすると、ドレスを脱いだら騎士服に武装した姿が現れた。
本来の姿を見て私は満足して前を見据えたまま歩みを進めるのだった。




