*2巻のおさらい(コリンの語り)
えーっとね、話す前に聞かなくちゃいけないことが色々あるんだけど……。
まず、ジャスパーからどこまで聞いたの?
——ああ、ルキフェルの初恋話からフランソワ海賊団の結成秘話までね。
そうだなぁ。フランソワ海賊団は旗揚げ時から、フランス相手に暴れ散らして当時の王宮もカンカンに怒らせたねー。でもフランソワ船長は全く手を抜かないし、ジャスパーだって持ち前の勘で舵切ったり、マテオなんか司厨手と砲手長も兼ねてて戦闘時は砲撃指示出して、ニールは航海士やって、ルキフェルはクォーターマスターとして平時のリーダーやってたわけだけど。まあ、あの頃のぼくたちって全く恐れを知らないって感じだったね。
……え、ぼく? ぼくは甲板掃除、たまにロープとか帆布の補修、あとちょっとした物作り担当。
要は雑用係兼整備士、ってところかな。
そんなわけで、あっという間に三年が過ぎた。
フランソワ海賊団はトルチュ島から出発してヨーロッパの海へ渡ると、フランスの海で海軍旗を見つけては次々と沈めていくのが年間ルーティンだった。
おかげさまで、フランソワは海賊の中でも特にヤバい大物、”大海賊”なんて異名で呼ばれ出した。
ぼくたちも襲撃時は無敵を誇っていた。ただ……船上トラブルは何時だって付き纏っていたよ。
ぼくも、あの当時は我慢できないところがあって不機嫌になっていたなぁ。
——でも、問題はその後だ。まさか、これまでの生活がガラッと変わるとは思わなかったよ。
……そう。”アイツら”も現れた。ほんと、最悪だったよ。
あれは今思うと、死へのカウントダウンだね。大海賊と海賊団の終焉が一気に崩れるようにやってきたし、あの冬は特に辛かった。
というのも、あれはぼくが十五の時。フランソワ海賊団がいつものように襲撃してて……




