第6話 突然の奇襲と動けなかったと言うメリット
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「は!?」
目を覚ますと、ベッドの上だった。
「遥斗大丈夫?」
声をかけてきたのは亜香里だ。
「亜香里こそ大丈夫?」
「うん、遥斗が守ってくれたから大丈夫だよ」
亜香里は笑顔で答える。
「萌々もありがと、あのままだったら僕達は殺されていたし」
「気にしないで、仲間でしょ?」
「ふっ、そうだね。
それよりも洋介と沙織は?」
「2人ならアジトに居るよ。
警戒してくれているから、バケモノがいつ現れても対処できるように」
「そっか……」
「それじゃあ私は2人の所に戻るね。
それとこれ」
萌々はポケットから2つ、銃を取り出し渡してきた。
見た感じ、ゲームで見たことあるやつ、ハンドガンだ。
「これは?」
「見たら分かるでしょ?銃よ」
「それは分かるけど……これで何を?」
「護身用の為に持っといてって事。
また有川亜津紗が奇襲してくるかもしれないからね」
萌々は言う。
「私……銃なんて使ったことない、それに銃なんて撃ったら逮捕されちゃうもん。
それにこれは遥斗達の持つ剣とは違うんでしょ?」
「そうだよ、これは普通の銃。
相手に狙いを定めて引き金を引いたら弾が飛ぶ……」
「護身用として持っとくだけでも相手を威嚇できる。
使えなくてもこう言うやり方もあるから」
「確かに」
そうして僕と亜香里は銃を受け取りポケットに入れる。
「それじゃあ私は先に戻るね。
何か有川亜津紗の事知れたら教えてね」
「あ!萌々、少し話していたんだ……有川亜津紗が」
……。
そうして僕は先程有川亜津紗が言っていた事を話した。
「ふ~ん、有川亜津紗の過去を話したんだ……となると…目的は、この世界の崩壊……自分と同じ世界にする……身勝手な人ね」
「ああ、絶対に有川亜津紗を捕まえる。
バケモノになるのなら、退治して人間に戻すまで!」
「そうね、それが一番だと思うわ……」
(亜津紗……そんな過去があったなんて……とても辛い日々を送ってきたのかな……)
「……」
「亜香里、どうかした?何か考えていたような顔してたし」
「ううん、何でも無いよ。
それよりも遥斗はゆっくりしてて、もしもまた亜津紗が来たら私が銃で脅すから」
「ありがと亜香里、でも無理はしないでね。
亜香里が居なくなったら、僕……僕……」
!
亜香里は僕をゆっくりと抱きしめ
「私は遥斗の前から居なくなったりしないよ……必ず一緒に居るから」
「うん」
「えっと……ごほん……」
!?
「あ!ごめん萌々、変な所見せて。
ありがと、萌々も有川亜津紗の情報を知れたら教えて」
「うん、じゃあ私はこれで」
そうして萌々は家から出ていった。
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その頃
アジト
「萌々が飛び出して行ったが大丈夫なのか……何も言わずに飛び出して行ったし……沙織どうする?」
「うーん」
沙織は窓をみながらぼーとしていた。
「沙織?」
「あ!ごめんね、ぼーとしちゃって。
何?」
「萌々の事」
「あ~そうだね……、急に飛び出しちゃったよね。
多分、何か感じるものがあって、そこに向かっちゃったんじゃないの?
萌々なら大丈夫なんじゃない?結構強いし」
「まぁな」
ギー。
「戻ったわ」
萌々が部屋に入ってきた。
「萌々!何処に行っていたの?」
沙織が立ち上がり、萌々に向かって言う。
「え、遥斗の所に。
それに私が行ってなかったら遥斗と亜香里が死んでいたし」
「何!?どういう事だ?」
「有川亜津紗が居た、それとリリカがね。
水原亜香里に接触しようとしていた、なぜかは分からないけど」
「……」
「どうしたの?」
「有川亜津紗は一度水原亜香里を操って、この世界に危害を加えてきたことがある。
お前も知ってるだろ?」
「あ~、あの事件の時ね。
それでどうやって操りを解いたの?」
「いや、本人曰く…半分操られていたって事らしい。
その時水原が求めていたものは遥斗だしな」
「あ~そういう事ね。
今は欲しいものがない、完全に支配しやすいってことかしら?」
「まぁそうだろうな」
「安心して、2人に銃を渡して来てあるから」
「おいおい!銃って!ぶっ放したら逮捕だぞ?」
「でも、操られるよりかはマシでしょ?」
「まぁそうだが、沙織…水原の事どうする?近くに居ねぇといつ有川亜津紗に狙われるか分かんねぇぞ」
「でも、彼女は一度操られているからもしかしたら操られているかもしれないでしょ?
迂闊に一緒に居たら後ろからバキュン!かも知れないよ?」
「いやいや、それなら遥斗がヤバいだろ」
コンコン。
!?
突然扉が叩かれる。
「だ、誰だ?」
「遥斗だよ!鍵かけてるのか?」
「あ~遥斗か……今、開けに行くぞ」
ガシッ!!
突然萌々に肩を掴まれた。
「ちょ!何するんだ萌々、遥斗が来たから開けるだけだ」
「……本当に扉の先に居るのは新田遥斗なの?」
「何言ってやがる?」
「お~い洋介あけてよ〜」
「……嫌な感じがするの……私の勘だけど……」
「まさか…………おい遥斗、少し聞きたいことがある。
それを答えたら開けてやるよ」
「分かった」
「お前も知っていると思うがこの世界を守っている人は誰だ?」
(……答えはパプルだがどう答える?そもそも遥斗の偽物?あり得ねぇよ)
「クイズ?まぁ、簡単だし答えるね。
答えは水口さんでしょ?」
!?
「え」
「ちょっと?答えたけど、開けてくれないの?」
「おい……お前、新田遥斗か?」
「え?何言ってんの?僕は正真正銘……新田遥斗だよ?」
「答えだが水口じゃねぇ……パプルだ」
!
「テメェは誰だ?遥斗のフリとはいい度胸だな?」
「ふふ……あ~あ、バレちゃったか〜。
正解は〜」
ドカーン!!!
!?
突然扉が吹き飛ばされてそこに居たのは
「有川亜津紗でした〜」
「有川亜津紗!!!」
3人は警戒する。
「ちょっとちょっと〜怖いぞ〜。
そんな脅しをすると……殺しちゃうよ?」
そう言い有川は廊下の方を向き手招きすると
!?
そこには虚ろの目をした水原亜香里がぐったりとしている遥斗を抱えていた。
「水原!!!」
「ふふ、彼女さ、私に同情しちゃったの。
辛いんだろうなーって、そこを私が見逃すわけもなく、離れた範囲から……支配したの」
「貴様!!!水原はやっと幸せを手に入れたんだぞ!!!」
「知ってる、お腹の子もだよね?
だからさ2人の幸せのために有根萌々をこちらに引き渡しなさい」
「玉か…」
「ええそうよ、その玉は必要な物なの」
「それを使ってこの世界を滅ぼすつもりだろ!!玉は渡さん!!」
「はぁ〜、正直さ……もうこの世界とかどうでもいいの、少し考えていてね。
私の本当の狙いは玉の回収をして……ある者を殺す事」
「ある者?それは誰だ!!!」
「知ってるでしょあんた達3人でも、この世界をいや、全ての世界を調整……改造、安定化……している人だ~れだ」
!
「まさか!!!パプルを狙っているのか!!!」
「せいか〜い」
「パプルを殺して何をするつもりだ!!!」
「何って?……それは勿論、世界の掌握……その玉の力は絶大。
そんな玉があれば、管理者も……それに群がる犬どもも簡単に殺せる。
だから、有根萌々をこちらに渡してほしいの」
(コイツの目的が世界の掌握だと!!!これはヤバい!!!俺達がどうにか出来る次元じゃない!!!だが、玉を渡さないと遥斗と水原は多分)
「ねぇ、渡さなかったら……どうなるかバカでも分かるでしょ?三神洋介くん…佐藤沙織ちゃん…」
「萌々、どうする……」
「ねぇ、玉を回収したら直ぐにこの世界から出るの?」
「ええ、目的はパプルなの。
玉の回収が終われば……貴方達には用済みなので」
「分かった……私の玉返してあげる」
!?
「萌々!?」
!
(うん?萌々の奴片手で何かしている?……もしかして奇襲を仕掛けろとか?……だとするなら)
「ふふ、2人の命には代えられないわよね?有根萌々ちゃん」
「その代わり、玉を渡したら2人を解放してね」
萌々はゆっくりと亜津紗の方に向かって歩く。
「ええ、勿論」
不敵な笑みを浮かべる亜津紗。
(コイツ何か企んでいる……そう言えば……仲間のリリカって奴が居ない!!!)
コツコツ。
(さぁ来なさい……来たら)
「スラッシュエッジ!!!」
洋介の奇襲攻撃。
!
有川亜津紗は2人から距離を取る。
その瞬間を萌々は見逃さず高速移動をして、水原を気絶させ2人を回収した。
「クソ!!もう少し進めば、リリカの攻撃が与えられたのに!!!」
「悪そうな顔しているのが悪いんだ!!!遥斗達は回収した!!!お前を捕まえるぞ!!有川亜津紗!」
「煙玉!!!」
!
ドカーン!!!
「くっ!!窓を!!」
洋介は窓を開けた。
そして煙が収まる頃には有川亜津紗は居なかった。
「クソ!!」
「ごめん、私…一歩も…動けなかった」
「沙織が気にすることはねぇよ。
遥斗達を無事に救出出来たんだからな」
「うん」
「それにしても流石元不良ね、わかってるじゃない」
萌々は洋介に向かって言う。
「お前が何か企んでいると思ってな、今の状況だと奇襲以外考えられなかったし」
「沙織ちゃん、貴方が何も動けなかったのは正解なの」
「え?どうして?」
「自分が一気に強くなって有頂天になると人はどうなると思う?」
「余裕を見せてくるとか………あ!」
「そう、貴方が一歩も動けず怯えている……その状態を見た有川亜津紗が余裕を見せたの。
だから一概にも動けなかったのが間違いではないの」
「ありがと萌々ちゃん」
「まぁ……次は…ちゃんと動いてね?」
「分かった……よく観察するから」
そうして3人は周りを警戒しつつ、2人を休ませるのだった。
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