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第二十二話 夜更け

賑やかな夜の、そのあと。

少しだけ静かな時間の話です。

深夜。


湊はリビングで静かに体を動かしていた。


足を半身に開き、

一歩、踏み込む。


手を流すように返す。


滑らかな動きだった。


その時。


「見事なもんだ」


声がして、湊は振り向いた。


子ども部屋の方から咲也が出てきていた。


「起こしました?」


「いや。水飲みに来ただけだ」


咲也は少し眺めてから言う。


「合気道か」


湊は少し照れたように笑う。


「昔、少しだけ」


肩をすくめる。


「さっき仮面ライガーのポーズを真似していたら」

「少し懐かしくなって」


咲也は頷く。


それからぽつりと言う。


「……好きだったんだな」


湊は驚いたように目を瞬かせた。


しばらく黙っていたが、やがて小さく笑う。


「ええ」


「そうですね」


泣き笑いのような顔だった。


咲也は何も言わず、キッチンの方へ向いた。


「ホットミルクでも作るか」


湊を見て笑う。


「寝る前にはちょうどいい」


ソファを軽く指した。


「座ってろ」


湊は素直に腰を下ろす。


咲也はキッチンへ向かった。


鍋に火を入れる音がする。


静かな時間だけが、流れていた。

誰にも見せない時間の中で、

ふと出てくるものがあるのかもしれません。


好きだったことや、

言葉にしなかった気持ち。


それを誰かに見つけられてしまう瞬間は、

少し照れくさくて、でもどこか優しいものだと思います。

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