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第二十話 帰り道

公園からの帰り道です。


キャッチボールの余韻が残る双子と、

それを見守る大人たち。


少し騒がしくて、でもどこか温かい、

そんな帰り道の時間を書きました。


公園を出ても、双子の興奮はまだ冷めていなかった。


「楽しかった!」


海斗が振り返って叫ぶ。


「またやろう!」


陸斗も頷く。


「……今度もっと遠く」


咲也は肩をすくめた。


「調子に乗るな」


双子は前を歩きながら騒いでいる。


海斗が振り返る。


「先帰る!」


「……競争」


次の瞬間、双子は一斉に走り出した。


「おい、転ぶなよ」


咲也が声をかける。


しかしもう聞いていない。


双子はそのまま家の方へ走っていった。


咲也は小さく息をつく。


「……元気だな」


湊は少し笑った。


家が見えてくる。


玄関の前で、双子が待っていた。


「おそーい!」


「……遅い」


咲也が言う。


「お前らな」


その後ろで玄関の扉が開いた。


夏希だった。


腕を組んで立っている。


「遅い」


咲也が顔をしかめる。


「お前まで何言ってんだ」


「夕飯作ってるって言ったでしょ」


夏希はため息をついた。


「キャッチボールはいいけど」


「ご飯冷めるわよ」


海斗が言う。


「でも楽しかった!」


陸斗も頷く。


「……またやりたい」


咲也は小さく息をつく。


「ほどほどにしとけ」


夏希はちらっと湊を見る。


にやっと笑う。


「それで?」


咲也


「何が」


「仲良くなった?」


「……お前な」


海斗が言う。


「湊くん、さくちゃん好きだって」


一瞬、空気が止まる。


咲也


「お前ら黙れ」


耳が赤い。


陸斗がぽつり。


「……さくちゃん人気」


海斗


「モテモテ!」


咲也


「うるさい」


湊は少し困ったように笑った。


夏希は満足そうに頷く。


「はいはい」


「とりあえず手洗って」


「ご飯」


「はーい!」


双子は玄関へ駆け込んでいく。


咲也は小さく息をついた。


「……まったく」


ゆっくりと、湊を見る。


「……でも」


少しだけ笑う。


「悪くなかったな」


湊が、わずかに目を見開く。


それから、小さく笑った。


玄関の灯りが、やけにあたたかく見えた。


家の中から、いい匂いがしていた。



最後まで読んでいただきありがとうございます。


双子の勢いに振り回される咲也と、

それを面白そうに見ている夏希。


そして、そんな家族の空気の中に

少しずつ入っていく湊。


次は夕食の時間です。

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