第十八話 悪くない朝
いつも読んでくださりありがとうございます。
お泊まり回の翌朝です。
静かな夜のあと、今度はにぎやかな朝になりました。
双子は元気、
湊は寝起きが弱く、
咲也は巻き込まれ役です。
少し慌ただしい朝ですが、
楽しんでいただけたら嬉しいです。
「おはよーーーー!!」
元気な声とともに。
どすん。
腹に衝撃がきた。
咲也は目を覚ました。
目の前で、小さな顔がこちらを見上げている。
「朝ごはんの時間!」
「……お母さん作ってる」
咲也は顔をしかめた。
「……人の腹にダイブすんな」
「起きた!」
「……起きた!」
もう一人もソファの背もたれから身を乗り出している。
キッチンの方から妹の声が響いた。
「二人とも顔洗ってきなさい!」
「「はーい!」」
双子が元気よく返事をする。
「さくちゃん、湊くんも!」
咲也は隣を見る。
湊はまだ眠っていた。
ソファに体を預けたまま、静かな寝息を立てている。
咲也は肩を軽く叩いた。
「起きろ、湊くん」
「朝だ」
「……ん」
反応はあるが、目は開かない。
海斗が顔を覗き込む。
「湊くん起きない」
陸斗も覗き込んだ。
「……死んでる?」
「こらこら」
咲也は軽く陸斗の頭を小突いた。
「寝てるだけだ」
もう一度肩を揺する。
「おい、起きろ」
しばらくして。
ようやく湊のまぶたが動いた。
ゆっくり目が開く。
ぼんやりしたまま数秒固まる。
「……おはようございます」
まだ半分寝ている声だった。
海斗が気にせず大きな声を出す。
「おはよー!」
陸斗が顔を覗き込む。
「……湊くん、まだおねむ?」
湊は状況を飲み込めないまま、ゆっくり瞬きをした。
その時。
「あ!」
海斗が床を指さした。
「ボール!」
昨日転がっていた小さなボールだ。
海斗が拾い上げる。
陸斗が言った。
「……昨日のだ」
海斗の目が輝く。
「キャッチボールしよ!!」
咲也は窓の外をちらりと見た。
空はよく晴れている。
小さく息を吐いた。
「……朝飯食ってからだ」
「やったー!」
双子が飛び跳ねる。
キッチンから妹の声が飛んだ。
「ごはんできたわよー!」
「はーい!」
双子が走り出す。
湊はまだ少し寝ぼけた顔のまま立ち上がった。
咲也はそれを横目に見て、小さく笑う。
そして、ふと思った。
――なんだか、悪くない朝だ。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
今回は朝のドタバタ回でした。
子どもがいる朝って本当にこんな感じだなあと思いながら書きました。
寝起きの湊と、容赦なく起こす双子。
咲也は完全に面倒を見る側になっていますね。
そして床に転がっていたボール。
次回は少し外に出る予定です。
よろしければ、また読みに来ていただけると嬉しいです。




