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雨の日の恐怖

【ルルからのお知らせ】

今回もほんの少しだけ怪我とかのシーンありだぜ。


まぁ冒険には付き物だけど、苦手な人には……な?

それと、次回も引き続きR-15で怪我のシーンありだから気をつけて読んでくれよな!


その日は朝から雨だった。


やっぱり降ってきやがったか……テントを叩く雨音で目を覚まし、ブルーな気持ちで準備をする。



着替えを終わらせて合羽姿で外に出ると、すでに焚き火の後は片付けられていた。

雨の日は各自テントの中で朝食を摂る決まりとなっていた為、すでにテント外にいる奴らは撤収準備などに取り掛かっていた。


「リリ、俺達もテント片付けるぞ」

「ま、待って下さいっスよ! ま、まだ合羽が……」


頭から合羽を着てアワアワしているリリを尻目に、俺はテント内の敷マットを丸めて荷物に入れ、ペグを地面から抜いていく

そしてリリが出てきたところでテントを畳んで丸め……リリはペグを洗って袋に入れている。



そして全員が出発準備を終えたころには、雨足は益々強くなっていた。


「こりゃ酷いな……バケツをひっくり返したようなってこの事だな」

「この草原じゃ雨宿りも出来んな」


ライオンと話すが雨音が激しく聞き取り辛い。

合羽のフードで自身の声が大きく相手の声が小さく聞こえてしまう。



「こんな雨の日は危険が多いからな! 全員警戒しながらで頼むぞ!」


俺は全員に一声かけると、荷を背負い直して歩き出した。




うぅ~靴がぐしょぐしょいって気持ちが悪いな

まぁ濡れるの予期して靴下脱いでるけど……なんか足がふやけそうだぜ。


「あん……がみ……すね」


隣のリリが話しかけるが雨音が強すぎてほとんど聞き取れない。


「何だって!!」

「あんまり前が見えないッスね」

「ああ、そうだな」


大きく叫んでようやく聞き取れる。

フードが雨でバシバシ叩かれ耳元が騒がしい。



……だから、悲鳴が上がっても聞こえなかった。



「ルル!!」


いつもは小声なマリアが大きな声で俺を呼んだ。


「どうした? 何かあったのか?」

「後衛にいた人達が……あのボスって人達がいなくなってる」

「は?」


俺はマリアの肩越しに後ろをのぞき込む。

辺りを見回す合羽姿が何人か見えるが……ピンクや赤の合羽はノエル達だったハズ。

小さいのはアルトで傍にはユーナとデニム……ヒョロ長とデブの組み合わせが見えた。


そしてその後方……十人弱いたはずのボスのメンバーは一人もいなくなっていた。


俺は後方に行って辺りを見るが……


「駄目だ、近くにはいない」


同じくそこで探していたウィルが首を振る。



くそっ! 何があった? はぐれたのか?


俺は素早く杖を地面につけて魔力を流していく……


今の俺は半径三十メートルぐらい行けるはず!


しかしどこにも何も感じられない…………いや、一人見つけた!!



範囲ぎりぎり……後方で止まっている人がいる。

俺はみんなに待機を指示すると、ウィルを連れて駆け出した!!





そしてそこに駆け寄った俺は……言葉を失った。

目の前に倒れている合羽姿。

その下肢がなくなって……雨に血が混ざりあって流れている。


そしてその後方には切れ切れになった服や合羽、武具等が散乱していた。


「うっ……」

「!?」


倒れている合羽が少し身じろぎする!!

慌てて駆け寄り起こすと、


「ボス!? 待ってろ! 今助ける!!」


大急ぎで『ヒール』を連発すると、なくなっていた下肢が徐々に治ってくる。


「うぅ……ぐっ……」

「ボ、ボス! 何があったんだ? 他の奴らは!?」

「ル、ルルか……に、逃げろ……」


雨に顔を打たれつつそれだけ言うと気を失った。


「一体何があったんだ?」


服や武具が散乱する場所に目を向ける。

雨に打たれ水たまりに浸かった物言わぬ残骸だけが目に映っていた。

他に人の姿はない。



「ルル、ここは危険だ。 ひとまずみんなの場所へ……」

「ああ、そうだな」


ウィルがボスを背負いみんなの方へ戻りだす。

俺もその後について行こうとした。



「……?」


振り返る……なんか妙だな?


さっき見た時と何かが違う

明確ではないが確信はする……絶対違う!

散乱する武具そして切れ切れの服が落ちており、水たまりに沈んでいた服や合羽が……ない?


「消えている……?」


雨で霞む目をしっかり開き確認する。


ない!? さっきまであった服や合羽の一部がなくなっていやがる!!

それも全部じゃねぇ……水たまりに沈んでいた物だけ。



俺はそれを理解した瞬間、バッと踵を反して走り出す!!


ズキッ!! 足を火傷の様な痛みが襲うがそれに構わず全力で走った!!

すぐ前にいたウィルに追いつくと、


「ウィル! 走れ!!」

「ルル?」


疑問に思いながらも俺の言う事もあって素直に聞いて走り出すウィル。

そしてみんなの待つ場所へ大急ぎで戻った。


「どうした? 何があった?」

「大丈夫?」

「何かあったの?」


俺とウィルのただ事ではない様子と、背負ったボスを見て待っていたみんなが心配そうに声を掛けてくる。


「早く……逃げるぞ、魔物だ。 うっく!」


足の痛みに耐えかねしゃがみ込む。


「ルル! その足どうしたッスか!?」


俺の足……靴は足首部分を残しなくなっており、足も焼け爛れたように皮がめくれて真っ赤になっていた。

回復魔法を掛けつつ、


「たぶん、スライムだ! くそっ! 雨に紛れてやがる!! 早くここから逃げるぞ!」


俺がそう叫んだ時、


「うがぁ!」


前方にいたゴンズから悲鳴が聞こえる!!


「ゴンズ!」

「前か!!」


俺とユーナが弾けるように前に走り、他のみんなも後に続く!!

そして地面を転がり苦しむゴンズの姿が見えた!


その体には……うっすらとゼリー状の物体が張り付いている!!


「待ってろゴンズ! 『スライム召喚!!』」


ユーナがスライムを呼び出しゴンズに張り付かせた!


「ゴンズに張り付いているスライムを溶かし返してやる!!」


俺はその間『ヒール』をゴンズにかけ続ける。


しかし、またもや悲鳴が上がった!!

それは子供の声……アルトの声だった。


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