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部屋に戻って


「くっそーー!!! あの狸ヤロー!!」


部屋に備えてあるクッションを殴りまくる!!


うがぁぁぁぁぁぁ!! イライラが収まんねー!!



部屋に案内された俺達は、全員一つの部屋に押し込められるように入れられた!!

疲れたような様子のノエル達、無表情で部屋の中を見回しているウィル。

椅子に座り目を閉じるライオン。

リリはベッドに寝転がり天井を睨んでいる。

デニムは床で目を瞑り……あいつだけ呑気に寝てやがる!



「ルル、これからどうするッスか?」

「ああ……ひとまずバッハはボコりたい!」

「私も参加したいッス!」


王国騎士団であるリリ。

差異は有れど国民を守る立場である彼女は俺同様かなり腹を立てているらしい。


「でも具体的に何か手があるッスか?」

「今んことろない!!  ライオン、お前の見立てではこの館の兵士達全員に勝てると思うか?」


俺の問いかけに目を開き、


「ふむ、難しいな。 全員を相手にするとなるとな」

「だよなぁ……いくら敵でも殺さねえようにしないといけねえし」


俺はクッションを放り投げるとソファに身を投げ出して天井に目を向ける。


「何か手はないか……」


……とりあえず狙いは兵士達じゃなくてバッハ。

アイツさえ何とか出来ればいいんじゃねーか?

護衛も一部とは戦闘になるかもしれんが……全員相手にするよりいいしな。


ひとまず公爵までの部屋にいる兵士の数でも確認するか。



俺は腰から杖を抜くと先端を床に当てて魔力を流す……


え~~っと、公爵の部屋からどうやって来たんだ?

方角的にはこっちか?


俺は感知範囲を広げていく……と言っても杖を中心に円形上に広がっていくから感知した人全てが引っかかる。

目を閉じる俺の脳裏に感知した人達が白いもやの様なイメージで浮かび上がっていく。


(両隣の部屋に二人ずつ、こっちに五人、そっち側に四人…………でもって)


少しずつ範囲を広げていく……以前の俺ならここまで広げることは出来なかったが、何度か使用したり練習しているうちに範囲を広げることが出来ていた。

……と言っても村全体みたいなことはまだまだ先だろうけど。


(……ん? この部屋か? さっきと同じ配置の様だし)

ドアの両脇に立っていた護衛、部屋の中にいた七名。


ドアや部屋が見える訳ではないが、感知できた護衛の立ち位置で先程俺達がいた部屋ではないかと思われた。

そしてバッハが座っていた書斎机の辺りにもやが浮かび上がる。


(これは!?)


俺はハッとして目を開けた。

魔力を使っていた疲労感が軽くのしかかり、一瞬だけ眩暈を感じる。

やはり感知範囲を広げすぎるとそれなりにきつい。


しかしそれでも掴んだ情報はその価値があった。


(……そうか、そう言う事かよ!)


俺はライオン達に先程の配置の件を話し始めた。






(なるほどな)


ユーナは薄暗い部屋の中でほくそ笑んだ。

ルルは知らないが、カーバンクルが見聞きしたものは召喚主であるユーナにも伝わっている。

先程のバッハ公爵の話、そして今ルルが仲間達に打ち明けた内容。

それらも全て伝わっていた。


(それなら俺も動こうか……)


ユーナは立ち上がると部屋の扉を開けて出ていく。

部屋の扉を開けたその一瞬、光が差し込み部屋の中を映し出す。


そこには鉄格子に囚われたゴンズの姿があった。





「さてと、んじゃ、俺はバッハのところに行ってくるぜ」

「大丈夫なのか一人で?」


心配そうなウィル。


「ああ、話をするだけだし……」

「そう言って色々巻き込まれるのはどこのどいつだ?」

「うっせー、俺だって巻き込まれたくて巻き込まれている訳じゃねーよ!」


余計な事を言ったライオンを一睨みすると、


「それに本人ああ見えて紳士を気取ってるぽいからな。 手荒な真似はしねぇだろ」

「……無理はするなよ?」


本当にこいつは心配性だなぁ……過保護かよ!


俺はひらひら手を振ると部屋を出る。

部屋に鍵は掛かっておらずすぐに開いた。


「どうした?」


部屋の両脇には一人ずつ見張りが立っている。

これは感知して分かっていることだ。


すぐ横にいた兵士に、


「バッハ公爵と話がしたい、いいだろ?」

「公爵様はご多忙だ。 そう何度も話は出来ん」

「そこを何とか頼むよ」

「駄目だ」


ちっ……にべもないなコイツ、意外に頭かてぇ


そして俺はもう一人の見張りに目を向ける。


(コイツ……さっきからチラチラと俺に目を向けて…………ははぁ、なるほどね)


俺は内心でニヤリとすると、チラチラ見てくる見張りに近づきちょいちょいと手招きする。


「なんだ?」


前屈みになった見張りの耳元に口を寄せると、


「なぁ? 俺を公爵のとこに連れていってくれよ」

「いや、それは……」

「連れていってくれたら後で触らせてやってもいいぜ?」

「!?」


にしし! コイツさっきから俺の胸ばかり見ているもんな、こーいう奴は扱いやすいぜ。


俺の言葉にだらしなく顔を歪める見張り、しかしすぐにキリッとすると、


「おい、こいつの話かなり大事そうだ。 今すぐに公爵に会わせた方が良いかもしれん」

「そうなのか?」


顔をしかめたものの、相方に言われたせいかそこまで反対はしていない。


「分かった。 見張りは俺が残るから、そいつを公爵のところに連れていってくれ」

「ああ、任せろ!」


ウキウキ声が出てるって!

コイツ浮かれすぎだろ?

それに……ククク! どうせお前は触れないんだからな!!


「さぁ、いくぞ! こっちだ」


スキップでもしそうな見張りについて俺は廊下を進んで行った。


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