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想い人との再会


俺の名前はウィルと言う。


ここアルファルドの冒険者ギルドに所属している冒険者だ。


つい先日まで俺はある仲間達とパーティを組んでいた。

しかしオーリファスをゾンビ達から守ろうと奮戦した結果、俺以外の全員は死んでしまった。


俺と同じ剣士のロウガ。

盗賊のシモン。

槍術士のイクファ。

そして魔術師のドレイク。


男5人のパーティだったが気の合う仲間同士の楽しい旅だった。

それがたった一日で全滅するなんて……。



俺自身死を覚悟したが、そこで俺は二人組の奴に助けられた。

一人は筋肉ダルマの剣士、そしてもう一人は女神の様な美しい少女だった。

あの日から俺の少女に対する想いは募っていき、そして今もその想いは……。


「ねぇ! ウィルってば!!」


急に耳元で叫ばれ、俺はそちらに目を向ける。

同じパーティのノエルが怒ったような顔をして俺を睨んでいた。

何度か呼びかけたようだが、心ここにあらずの俺には聞こえていなかったようだ。


「全く! また、その何とかって少女の事を考えていたんでしょ?」


呆れた顔を俺に向ける。



このノエルというパーティメンバーがここに居る経緯を話そう。


アルファルドの冒険者ギルドに戻ってきた俺は、ギルドの計らいで別なパーティを紹介された。


そのパーティは女三人のパーティだった。

気の強い女性剣士のノエル。

おっとりした弓士のアリス。

無口で大人しい魔術師のマリア。


丁度パーティから男性が二人抜けたとの事で紹介されたのだ。

なんでも意見の相違とかなんとか……まあ興味無かったので聞いてなかった。


女性陣は俺の事を少し警戒していたが、俺に想い人がいる事を知るとパーティ参加を認め、今は普通に接している。


逆に色々想い人の事を聞いてきて少しうざいぐらいだ。




そしてその日、俺達はクエストを終わらせて冒険者ギルドに戻って来た所だった。

オーリファスでの傷は新しい仲間達の心遣いで薄れつつある。

クエストで金を貯め、いつか俺の想い人を探しに旅に出よう……そう思っていた。


「……ん? なんかギルド騒がしくない?」


ノエルが冒険者ギルドの扉に手を掛けたところでその動きを止め眉をしかめる。

確かに……ギルドの中がいつもより騒がしい気がする。


「何でしょう?」


アリスも首を傾げる……が、


「ひとまず報告」


マリアがそう言って俺達を押しのけると扉を一気に開く。


そして俺の視界……扉を開けてその正面の先に想い続けていた少女の姿があったのだ。


いつぞやの格好とは全然違い、整った髪、照れて赤くなっている顔、着ているドレスは綺羅びやかで何処かのお姫様の様だ。



「ど、どうしたのウィル?」


固まった俺を見てノエルが俺の顔の前で手を振る。

しかしそんな手も俺の目には映らない。


「俺の……想い人……」


固まった俺の視線の先をみんなが見つめ……そして俺の言葉を聞いて、


「「「えええええええ!!!」」」


一斉にどよめく……珍しくマリアすら驚きの声を出している。

しかし俺はそんな仲間達に構わず想い人に駆け寄った!!


いきなり走り寄ってきた俺に想い人は目を丸くして見つめて来た。

もう……見つめられただけで俺の心臓はバクバク音をたてている。


彼女が口を開く、


「あ、な、何か用か?」


恥ずかしそうな震える声。

そして俺が声をかけようとした時、


「ん〜あなたはどなた? あなたも参加希望なの?」


想い人の隣りにいた青い髪の少女が俺に声を掛けてきた。

確か……この少女は……。


「王国騎士団長!!」


いつの間に来ていたのかノエルが俺の後ろから声を上げた。



「うん? そうだよ~。 ところでこの人は君のとこの?」

「あ、はい! パーティメンバーのウィルです。 」

「そうなんだね~。 君達も応募するって事でいいのかな?」

「応募……ですか?」

「うん~。 ここにいる彼女の護衛なんだけどね。 ただそれなりに危険だから……」

「やります!」


王国騎士団長が説明しているのを遮って俺は即答した。


「ちょ、ちょっと待ってよ! 私達やるとも何も言ってないじゃない!」


ノエルが慌てて俺に抗議するが、


「俺は参加する。 ノエル達が断るなら悪いがパーティを抜けさせてもらう」

「そ、そんな!」


俺とノエルのやり取りを見ていたアリスが、


「ん~。 ひとまず詳しい話を聞いてからでもいいんじゃないかしら~?」

「……ま、まぁそうね。 ウィルもそれでいい?」

「どんな話を聞かされようが俺は参加するがな」


俺はそう言って再度彼女に目を向ける。

……何度見ても美しく愛くるしい。 こんなところで出会うなんてやはり運命なんだろう。


「マリアはどう思う?」

「……任せる。 私はクエストの報告してくる」


相変わらずマイペースな魔術師はすたすたと受付の方へ歩いて行く。


「ともかく騎士団長様に詳細を聞かせて頂きましょうか」

「分かった~。 ひとまず希望者がある程度集まったら奥の部屋で説明するからね」


騎士団長はそう言うとノエルにニッコリ微笑んだ。


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