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疫病の状況


「えと、これに魔力を通せばいいのか?」

「そうよ。 そうしたら文字が出るから王都の名前を選んで」

「選ぶってどうすんだよ?」

「触ればいいだけよ」


シエラが俺に教えてくれるが……なんかすごい上から目線を感じるのはどうしてなんだ?


俺は壁に斜めに立てかけた水晶の板……もう少しいい呼び名ねーのか? に魔力を通す。

すると板が青白く光りだし文字が浮かび上がってきた。


「おお! なんかすげー!」

「そうしたら……その上から三番目のそれ。 『通信用』ってかいてるでしょ? それ触って」


シエラに言われるがまま触ると、王都の名前から色々な……これ街の名前か? ずらりと現れた。


「じゃあ、王都アルファルドを選んで」

「ほいっと」


ピッと言う軽い音と共に板の画面が切り替わり……CALLの文字が流れ出す。


「ん? これは?」

「向こうのギルドを呼び出してるのよ。 すぐに……」


シエラが言いかけた時、画面が切り替わり見知らぬ女性の顔が映し出された。


「はい、王都アルファルド冒険者ギルドです」

「お久ぶりです。 オーリファス冒険者ギルドのシエラです」

「ああ、シエラさん!! 心配したんですよ!? そちらは大丈夫なんですか?」

「ええと、私は大丈夫なのですが……」


相手と繋がったとたん、シエラが俺を押しのけて会話し始める。

まぁ報告などもあるだろうから任せた方がいいだろうな。


色々会話していたシエラだったが、


「はい、ルルどうぞ」

「ん? もういいのか?」

「ええ、一通りは状況を報告したわ。 後は貴方の気になっている疫病の件を確認なさい」

「ああ」


シエラに代わって水晶板の前に行くと、先程の女性がこちらを見つめている。


「え、ええと……俺はルルって言う者なんだが……」

「ええ、存じ上げておりますよ? 城から手配書来てますので」

「げ! ま、まじか!?」


あの王様じじい! 本当に指名手配してやがったのか!?


「ですがご安心下さい。 理由についてはロロ様から承っております」

「ロロが?」

「はい、ロロ様はあちこちの有力者と色々繋がっておいでで、冒険者ギルドとも懇意にして頂いているのですよ」


う~む、さすが王国騎士団副団長だな。

まぁあのポヤポヤしたララにはこういうのは無理そうだしな。


「まずは私の名前から……私は王都アルファルドの冒険者ギルド受付嬢をしておりますサリナ=シェフィールドと申します。 以後お見知りおきを」

「ああ、宜しく。 俺は……まぁ名前を言ってた通り、ルルって言うもんだ」

「はい、宜しくお願いいたしますね。 それと……そちらの冒険者ギルド所属のシエラを助けて頂きありがとうございました」

「あ、あいつそれも言ったのか?」

「はい、ルルさんは口は悪いが優しい方だと……」

「あいつ!?」


慌てて振りかえったがシエラはすでに消えていた。

シエラの奴、逃げやがったな!


「ところで……疫病の件ですよね? 先程シエラとの声が聞こえておりました」

「あ、ああ。 疫病が出ている所や出そうなところが分かるか?」


急に本題になった為、慌てて水晶板に目を向ける。


「我がフィリム王国で言いますと、小さい村に関しては対応完了……つまり神官や僧侶等により防がれたか、手遅れだったか……と言う状況です」

「まぁ……俺達も結構回ったしな」


師匠と四年間でフィリム王国の端から端まで歩いたしな。

正確には周辺国も少しは寄ったりしたが……。


「そして街については十ある街の中、五つが治療済み、三が壊滅、一つはそちらのオーリファス、そして残り一つがベスタと言う街です」

「ベスタだな?」

「はい、後それと王都も未だ未発生です」

「ってことは後二ヶ所だな?」

「はい、そうですが、ベスタは大丈夫かもしれません」

「ん? どーしてだ?」

「ベスタには生き残った神官の方が配置されております。 それを守る為の騎士もおりますので魔族が来ても大丈夫と思われます」

「う~……じゃあ俺は……」

「はい、王都アルファルドに来ていただくのが一番かと……」


行きたくねぇ!

絶対拘束されるし、色々言われるし……気が重い。

でもなぁ……王都で疫病が出たら厄介だし……行くしかねーか……。


「はぁ……分かったよ。 俺は王都に向かう事にする」

「はい、宜しくお願いいたしますね。 僧侶ルル様」

「うぐっ! 様はやめてくれ様は!」

「ふふっ、冗談です。 ロロ様がルルが嫌がるだろうからって言ってたのでつい」

「おい! 嫌がるって知っててやるんじゃねーよ!」

「ごめんなさい。 私の性格Sなので」

「誰も聞いてねーよ!!」


何なんだコイツは!

冒険者ギルドの奴らってこんなのばっかりか!?


「それでは……道中お気を付けて。 シエラにもよろしくお伝え下さい」

「ああ、ありがとう」

「いえいえ~それでは」


画面に映っていたサリナが消える。

画面越しでは大人しそうな顔だったのに……性格がSとは。


(まぁ……それはともかく行き先が王都か……はぁ)

気が重く心でため息をついてしまう。



ガシィ!!


「ぐぇ!」


いきなり後ろから首筋を絞められた!!



「ルル~遊ぼう!!」

「用事終わった~? 早く遊びたい!!」

「また勝負しようよ!!」


俺の後ろから子供達が次々飛び掛かってきた!!


「こ、こらお前ら待て! まだ片付けとか……って誰だ! 俺の尻揉んだ奴!!」


前々から思っていたが……子供達の中にエロガキがいやがる。



どんどん上に乗ってくる子供達に……


「ふっふっふ……そーかそーか……おめえらお仕置きされたいんだなぁ~?」


子供達を優しく退かせると、俺は意地悪く子供達に「捕まえるぞポーズ」を見せる。


「きゃー! ルルが怒ったぁ!」

「逃げろー! 尻たたかれるぞ!」

「あはは! キャーこわーい!」


子供達がキャッキャッ言いながら散り散りになって逃げだした。


(仕方ねぇ、こいつらといるのもあと少しだし……遊んでやるとするか)


俺は水晶板を片付けると、鬼ごっこ宜しく子供達を追いかけ始めた。


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