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騒がしい一行


旅を再開してバロックの街を目指す。


そして俺は隊の最後尾に移動していた。

というのも……



「………………」


隣を歩くボスの元気が全くない。


……まぁ分からないでもない

何しろ部下全員スライムに食われちまったんだからな

……ダーテンハルトには留守番組が少しいるらしいが、それでも精神的にはきついんだろう



そう思いボスの隣に並び一緒に歩く。

たまに話し掛けたりしてみるが……その内無言となってしまった。


う~~ん、何か励ましてやれればいいんだが……



「……なぁルル」


っと、いきなり話しかけて来たな


「ん? どした?」

「俺は……頭失格だ。 後ろで部下が食われてるのに気づきもしねぇなんて……」


ううむ……これはかなり重症だ

確かに言いたいことは分かるが……あの雨じゃ声も音も全然聞こえなかったしな


「いや、あれは俺も気付かねぇって」

「俺は……もう団を解散しようと思う」

「それは……俺がとやかく言う事じゃねーから……」

「なぁ、ルル。 良ければ今夜付き合わねーか?」

「あ? まぁ良いけど俺酒飲めねーぞ? すぐに頭痛がしちまって……」

「ああ、飲みじゃない。 男と女のってやつだ」

「ぶっ!」


こ、こいつは何を言ってんだ?

ついに頭のねじが飛んだか?


「慰めてほしいんだ。 こんな時だが……お前なら俺を支えてくれるように思えてな」

「いや、冷静になれ! どこをどう見てそんな言葉が出てくるんだ?」

「俺は冷静だ。 何なら男として責任をとってもいい」

「いや、俺が良くねーよ! それに大体おめぇはもっとセクシーな女性が好きとかほざいてたじゃねーか!」


自慢じゃないが……俺は背も低いし、鍛えてはいるがスレンダーな方でもないからな?

まぁ胸は大きい方みたいだ……しょっちゅうアリスが『大きいね~触らせて~』と狙ってくるからな。

どちらにしろボスの好みとは正反対だろ?


「いや、俺は気付いたんだ、女は包容力ってことに。 その点ルルなら……」

「断る! 俺にはそんな気はねーし」


「ちょっと待て! ルルに手を出すなら俺が黙ってない」


ほら~~……ウィルまで来ちまったじゃねーか。


「ほう? 黙ってないとはどういう了見なんだ?」

「文字通りだ。 俺のルルに手を出そうと……」

「ちょっと待て。 いつから俺はお前のになったんだよ!」


こいつらの中では俺はどういう扱いだよ!


「そーよ! いつの間にルルはウィルのものになったのよ!」


ってノエルまで来たし! しかもこいつ俺に向かって言ってねーか?


「ルルから? ルルの方からなの? そんな僧侶のフリなんてして純粋なウィルを……」

「あ~ごめんね~。 この子ちょっとあれで……」

「ノエル、ほらあっち行こう。 あっちで話聞いてあげるから……」


ノエルがアリスとマリアになだめられながら連れていかれる……何だったんだ今のは?


そんな最中にもボスとウィルの間で話がエスカレートしていき、


「だったらルルを掛けて勝負しろ!」

「望むところだ。 俺が勝って証明して見せる! ルルは俺の恋人って事を!」

「いや、違うからな? 勝手に恋人にするな」



そうしている間にもボスとウィルが少し離れた場所で対決する様相だ。


「待って、私の為に争わないで! ……ってルルが言ってるッスよ?」

「言ってねーから! 焚き付けてんじゃねーよ!」

「え~~だって楽しそうッスから」

「あのなぁ……ライオンも何とか言って止めてくれよ」

「ふむ? まぁ鍛練になるし良いのではないか?」

「あーー! もう!」


そうしている間にも戦いが始まり……勝負は一瞬で着いた!


ボスは短剣を抜くと素早くウィルのうちに入り込み……しかしそれはウィルが誘い込んだ罠だった。

剣に注意しながら懐に入り込もうとしたボスに、膝蹴りで短剣を持つ手を跳ね上げそのまま手首を抑え込んだ!


「……くそ、俺の負けだ」


ボスが降参しウィルの勝利となる。

ウィルは少し嬉しそうに俺の元に来ると、


「ルル、これで俺と恋人……」

「ウィル、そんな事ばかり言うと嫌いになるぞ?」

「……」


嬉しそうな顔が一転して捨てられた子犬の様な目で見てくる。


はぁ……全く……

好かれる気持ちは嬉しいが……俺はそんな目でみんなを見たことないからな

まだやることは山盛りだし、大体俺には…………ん? 師匠をそんな風にみたことあったか?

ん~~?? 確かに好きだがそれは好きってだけで、恋人とかの好きとは……違うよな?


よく分からなくなってしきりに首を捻る俺に、イラついたようなユーナが寄って来ると、


「茶番が済んだらさっさと出発しないか? 依頼主様よぉ!」

「あ~、そうだな。 さっさと街に行くか!」


草原の更に先、目を向けるが未だに街は見えない。


再び隊列を組みなおし、俺達は行進を再開するのだった。


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