66話 いざ18層へ!
ーー2日後、リザ村にて
「では皆さん、よろしくお願いしますね」
リザ小次郎はそう言ってに荷馬車へと乗り込んだ。
今回の目的地は18層にある吸血鬼の街に行くことであり、そこで大量のトマトを売る予定である。
吸血鬼にトマトって本当にある話なんだなぁ。
「な、なんで俺まで……」
リザ平八郎は面倒くさそうに頭を掻きながらそう呟いた。
平八郎にはリザ村長から昨日伝えてもらったので、彼からしてみれば突然のことって感じだよな。
「おいリザ平八郎、頑張ろうな!」
「シオンか……まぁお前がいたら暴れられないし、何より村長の頼みだしな、仕方ねぇやってやるよ」
平八郎はそう言って右腕でガッツポーズを作ってみせた。
お、なんだかやる気が出てきたみたいだな。
こいつの強さは戦った俺がよくわかっているが、誇張抜きでレナティくらいには強いと思うし、実際頼りにしている。
まぁダイアも最近は俺との特訓でかなり腕を上げたから、強さ的には2人は同じくらいって感じかもな。
「シオン、俺も頑張るよ」
「ああ小太郎、期待してるよ」
平八郎と話していると、斧を担いだ小太郎が話しかけてきた。
小太郎も最近はよく特訓しているが、いまひとつ強さが伸び悩んでいる。
おそらく小太郎は優しい性格が故に、自分の力を無意識のうちにセーブしてしまっているのかもしれない。
もう一皮剥けて欲しいが……。
「シオン様、では出発しますので荷台にお乗りください」
「うん、わかったよ」
そうして俺とダイアの2人は荷馬車の荷台に乗り込んだ。
今回の護衛は、荷馬車にリザ小次郎と俺とダイア、そしてその周辺をリザ吉とリザ平八郎、そして小太郎が警備するという配置にしている。
まぁ小太郎とかリザ吉とリザ平八郎は、大きさ的に荷台に乗れないからこうするしかなかったんだよね。
「お二人とも乗りましたね、それでは出発します!」
『パシッ』
リザ小次郎はそう言うと手綱を引いて馬を走らせ始めた。
「おいシオン、これから18層に行くのは聞いたが、ルートはどうするつもりなんだ?」
「ああダイア、それならこの先にある抜け穴を潜ると12層へすぐに行けるらしいよ」
「え、12層に!?」
俺の言葉に驚くダイア。
なんでもリザードマンの村の外れにある森のとある階層の抜け穴と呼ばれるトンネルを抜けると12層へすぐ着くらしく、それを使ってこの荷馬車は移動するらしい。
そして12層には、このダンジョンのあらゆる階層にいける転送魔法陣があるらしく、それを使って18層に行く計画である。
「うん、そしてその抜け穴はまでは20分ほどで着くらしく、問題なのは12層に着いてかららしい」
「そうなのか?」
「ああ、なんでも今12層は治安がだいぶ悪いらしくてな」
「レパルスが倒れたからか?」
「ああそうだ、俺がレパルスを仕留めて10~14層の統治体制が崩壊したことが原因だろうな」
「そうか……」
ダイアは静かにそう呟くと俯いてしまった。
レパルスの討伐は、ミカやリザードマンのことを考えると必要な事だったと思う。
でもレパルスがいなくなった余波は至る所で出ている。
【三王】という名前は伊達じゃないということか。
「あ!シオン様、今から行く12層ですが気をつけてくださいね、あそこは現在ダリアと呼ばれるケンタウロスが支配している階層ですので」
荷馬車の先頭で馬の手綱を引くリザ小次郎はそう言ってきた。
ダリアか、レパルスのいなくなった後の12層を仕切るケンタウロス。
穏便に18層に行かせてもらえるとありがたいんだけどなぁ。




