67話 転移の森
ーー9層にて
「シオン様、見えてきました階層の抜け穴です!」
馬車に揺られること20分。
俺たちはついに階層の抜け穴へとたどり着く。
「抜け穴と言っていたけど結構大きいんだな」
荷台から運転席へと移り俺は、その抜け穴を確認するとトンネルくらいに大きかった。
「はい、元々は様々な種族が行き来きできるように作られたらしく、大きさは抜け穴と言っていますが実質洞窟並みに大きいですよ」
「なるほど」
「では中へ入ります!」
「おう!」
そうして俺たちは、階層の抜け穴の中へと入っていくのだった。
ーー30秒後
「見えてきました、この先が12層です」
抜け穴を入ってすぐに光が見え始め、小次郎がその光を指差しそう叫ぶ。
もう着いたのか、抜け穴という名前通りかなり速いな。
『ススッ』
抜け穴を抜けると一気に差し込む光。
ま、眩しい前が見えない。
「シオン様、見てくださいここが12層"転移の森"でございます」
「て、転移の森……」
光に目が慣れてくるとそこには、眩しい陽の光の差す広い森があった。
「おいシオン見てみろ、他にも隠し穴が幾つかあるぞ」
「本当だ!」
見渡すと辺りには、4層やら8層と書かれた隠し穴が至る所にあった。
「驚いたでしょ、ここ12層は水のダンジョンの至る所に繋がる隠し穴を持つ不思議な階層なのですよ」
驚く俺とダイアを見て小次郎は嬉しそうにそう語る。
今までも色んな階層で不思議なものを見てきたけど、こんな階層もあるんだな。
というかこのダンジョン、階層ごとに違いがありすぎる気がする。
溶岩地帯の階層もあれば、広い湖のある階層に大草原の広がる階層。
このダンジョンを作った人は、ここに世界でも創造したかったのだろうか。
『主人よ、この森気をつけた方がよいぞ』
ダンジョンの事について考えていると、ふと魔道王がそう呟いた。
「なんだよ気をつけろって」
『この森、血の匂いがするぞ』
「え?」
『パシャッ』
その時、周りの茂みの中から5体のケンタウロスが現れた。
「な、なんだ!?」
「スキル発動【フレアフィールド】」
『ゴウッ』
一体のケンタウロスがスキルを放ち、あっという間に荷馬車の周りは炎に包まれてしまう。
『ヒヒィィン』
荷馬車を引いていた二頭の馬は即座に動けなくなってしまう。
「まずい、スキル発動【ウォーターフィールド】」
『プシュウウウ』
俺は周囲の炎を消すべく即座にスキル【ウォーターフィールド】を展開し消化した。
「ありがとうございますシオン様!」
「感謝はまだ早いですよ」
火は消したがまだ周囲はケンタウロス達に囲まれている。
というかリザ平八郎や小太郎達はどこいったんだ?
「スキル発動【リザ・サンダー】」
『ズドォン』
その時、周りを囲むケンタウロス一体に向け、見覚えのあるスキルが放たれた。
「リザ平八郎!!」
「すまん遅くなったシオン!」
そう言って抜け穴から出てくる平八郎と小太郎達。
よし、こちらも全員揃った事だし反撃といくか!




