63話 リザ商会
ーーリザ村、村長の家にて
『ガバッ』
「し、失礼します」
「おおシオン様、お待ちしておりましたぞ!」
村長の家に着くと、そこには村長と見慣れない小太りのリザードマンがいた。
「お父様、私も来たわよ」
「おおミカ、お前も来たのか」
「ええ、それで話って何?」
ミカは腰に手を置き村長へとそう訊ねる。
いやいやお前が訊くのかよ。
「お、おう……それよりもシオン様、本題を始める前に一つ伺いたいのですがよろしいでしょうか?」
「ああ構わないよ」
「ありがとうございます、シオン様はこの水のダンジョンで財を成したいらしいと、リザ吉三郎から伺いましたが本当ですか?」
「うん、本当だよ」
「なるほど、でしたらこの者を紹介しても良さそうですね」
そう言って村長はテントの中にいる、小太りのリザードマンの方へと視線を向けた。
「どうもシオン様、私の名前はリザ小次郎、商いをやっているリザでございます」
「え、商いをやっているリザードマンがいるのか!?」
「ええ、私はこなリザ村で取れた野菜や果物などを売っております」
リザ小次郎はそう言うとニコッと笑った。
商いをやっているリザードマンがいるとは驚いたな。
てかこの村野菜とか果物も育てているのか。
「野菜や果物を売っているのか、凄いな」
「いえいえ全然ですよ、まぁそれなりに儲かってはいますがね」
『ギラッ』
そう言ってリザ小次郎は、指や腕に向けている宝石をチラつかせた。
け、結構儲かってそうだな。
「儲かっていそうなのはわかったけど、村長よ一体どうして俺にリザ小次郎を紹介したんだい?」
俺は村長へそう訊ねる。
「それは勿論、シオン様にリザ小次郎が協力したいと申したからです」
「え、そうなの?」
「はい、以前よりリザ小次郎から会わせてほしいとは言われてたのですが、なかなか機会がなく……そんな折、シオン様が財を成したいと聞いたので会わせてみることにしたのです、なぁそうだろリザ小次郎?」
村長はそう言ってリザ小次郎の顔を見た。
「ええ、レパルスを倒したお方に興味がありまして、そのような申し出を以前よりさせて頂いておりました」
「ほ、ほう」
「シオン様、良ければそのお力を我がリザ商会にお貸し頂けないでしょうか?」
「え、俺の力を?」
「はい、実は最近ブリューナク商会に目をつけられてしまいまして、何度か嫌がらせを受けておりまして……」
申し訳なさそうにそう話すリザ小次郎。
お、おいそれってブリューナク商会から守ってくれないかって話か?
いやいや対立したくないのに、そんな話を受けるわけにはいかないだろ!
「いいじゃない受けなさいよシオン」
「は?」
俺の代わりにそう答えるミカ。
な、何を言ってんだこいつ。
「おお受けてくれますか!」
「勿論よ、というか元々ブリューナク商会とはやり合う予定だったし」
元気よくそう答えるミカ。
お、おいやり合う予定って、それは秘伝書の話か?
あの話はまだ受けるとは言っていないのだが……。
「ならば交渉は成立ですな!」
そう言ってリザ小次郎は、懐から重たそうな袋を取り出した。
『ドサッ』
「そ、それはなんだいリザ小次郎?」
「手付金でございます」
「て、手付金!?」
見たところ凄い量の通貨が入ってそうだけど、一体いくらあるんだ?
「中身はブリューナク金貨100枚でございます」
「えっと、それはロンでいうとどれくらいなの?」
「金貨一枚で1万ロンなので、ざっと100万ロンほどですかね」
「な、なんだよそれ!」
「勿論これは手付金ですので、我々リザ商会を守ってくだされば、その都度報酬はこの倍差し上げます」
「ば、倍だって!?」
受けるつもりは全然無かったけど、そんな法外な額を見せつけられては断る事もできないし。
ここはとりあえず一回受けてみて、その後にまた考えるでもいいかもな。




