61話 リザードマン最強の戦士
ーー4層、ドワーフの炭鉱都市にて
「スキル発動【サファイア・ボルト】」
「スキル発動【リザ・サンダー】」
『バチィン』
ぶつかり合う俺のサファイア・ボルトと、リザ平八郎のリザ・サンダー。
この感じ、サファイア・ボルトの火力は30%ほどってところか。
「ほぼ互角か……やるなぁシオン!」
互角か、こっちは出力30%だから全然違うけど向こうのペースに合わせておく方が良さそうだな。
「そうみたいだな」
「へへ、久しぶりに難敵と戦えて俺は嬉しいよ、スキル発動【リザ・ブレス】」
『ブオッ』
そう言ってリザ平八郎は口から火を吹いた。
なっ、こいつ炎系スキルも使えるのか!
『スキル発動【サファイア・バリア】」
『キンッ』
魔道王の発動したサファイア・バリアにより、リザ平八郎のブレスは俺に届く事なく防がれた。
「あ、ありがとう」
『気にするな主人よ、それよりも前を見ろ』
「え、前?」
「やるなぁシオン!咄嗟にバリアを張るとはな!でもこれはどうかな、スキル発動【リザ・スノーバースト】」
『パキキキ』
リザ平八郎は右手から冷気の塊を放出してきた。
今度は氷だと!?
こいつ、一体いくつスキル持ってるんだ?
「スキル発動【レオフレイム】」
『ゴウッ』
俺は向かってくる冷気の塊を相殺するために、左手からレオフレイムを放射した。
『シュオオオ』
冷気の塊に炎がぶつかった事により、あたりが白い霧に包まれてしまう。
「くっ、何も見えない」
『ギラッ』
「背後がガラ空きだぜシオン、スキル発動【リザ・ネイルクロー】」
『危ない主人よ、スキル発動【サファイア・バリア』
『キンッ』
向かってくるリザ平八郎の鉤爪による一撃を魔道王が間一髪のところで防いでくれた。
あ、危なかったぁ。
「スキル発動【スパイダー・ネット】」
『パシュッ』
「何だよ次は蜘蛛の糸かよ」
俺はサファイア・バリアに攻撃を防がれたリザ平八郎の隙をつき、スパイダー・ネットを放ち捕える事に成功した。
『お見事だ主人よ』
「そっちもありがとな」
「くっ、この糸全然解けねぇ!」
もがくリザ平八郎。
俺のスキル【スパイダー・ネット】は、もがけばもがくほどに、複雑に絡まる仕様になっているためリザ平八郎はもう逃れる事はできない。
ふぅ、なんとか捕獲には成功したかな。
「おーい、シオン様ー!」
その時、ゲンさんの店の方からリザ吉三郎が走ってきた。
「おー、リザ吉三郎!」
「まったく大きな音がするから来てみれば、やはりシオン様でしたか……え、リザ平八郎?」
走ってきたリザ吉三郎は、捕えられたリザ平八郎を見てそう呟く。
「ちっ、面倒な奴がきたな」
そう言って視線を逸らすリザ平八郎。
何だこの2人、知り合いなのか?
「シオン様、こいつと戦っていたのですか?」
「あ、ああそうだけど」
「なるほど、この様子だとさしづめシオン様に負けて捕えられたたってところか」
「けっ、うるせぇよ」
「なぁリザ吉三郎、こいつってお前らの仲間なのか?」
俺がそう訊ねるとリザ吉三郎は苦い顔を浮かべる。
「正直言ってコイツを仲間とは思いたくありませんが、正真正銘リザ村生まれの我らの同胞です」
「そうなのか」
「ええ、しかしコイツは2年前村にある秘伝の書を盗み、そこから行方不明となっておりました」
「ほほう」
「したがって、リザ平八郎はこのままリザ村に連行します」
「お、おう」
リザ平八郎の奴、しっかりお尋ね者だったわけか。
にしてもリザ村に伝わる秘伝の書か。
気になるな。




