59話 シオンの強さ
ーー水のダンジョン4層、ゲンさんの炭鉱にて
「イギャアアア」
『来たぞ主人よ』
「おうよ、スキル発動【レオフレイム】」
『ゴウッ』
俺は左手から出した炎をゴブリン達へと当てた。
『主人よその炎は初めて見たな』
「ああこれは、スキル【生成師】を使って新しく作ったスキルなんだよ」
『主人よ、お前はスキルが作れるのか?』
「ああ作れるよ、この【生成師】のお陰で実家の人達に隠れてスキルを量産できたからね、なんなら俺の最初のスキルは【生成師】だけだったし」
『なんと!つまり主人は幼少の頃からスキルを貯めてきたという事なのか?』
「そうなるね、今は大体100以上はあるよ」
『き、規格外じゃ……』
俺のいた家のトリポカ家は能力至上主義の家だった。
強い能力を持つ者が優遇され、弱い能力を持つ者は冷遇される。
そんな家に生まれ、最初は本当にしんどかった。
せっかく第二の人生を歩めるってのに、こんな勉強やら習い事だらけの日常なら転生するんじゃなかったとさえ考えていた。
そんな時、ダンジョンに関する本を読みそこへ行きたいと思ったのが最初だったな。
「イギャアア!!」
そんなことを考えぼんやりしていると、1匹のゴブリンが俺に襲いかかってきた。
『主人!!』
「スキル発動【スパーク・バインド】」
俺は左手からスパーク・バインドを放ち飛びかかってくるゴブリンを即座に拘束した。
「ウギャアア」
捕らえたゴブリンがうめき声を上げた事で、炭鉱中に散らばっていたゴブリン達の視線が俺に集まり出す。
「イギャアア!!」
「シャアアア!!」
『主人よ、おおよそ30体はいるぞ」
「ああそうか、でも余裕だろ」
『余裕か……まぁナディアやレパルスに比べればこんな奴ら、簡単かもな』
「そういうことさ魔道王、じゃあサファイア・ボルトの準備を頼むよ」
『了解だ』
作戦はいつも通り魔道王のサファイア・ボルトが溜まるまで、俺のスキルで凌ぐこと。
「イギャアア!!」
「スキル発動【スパーク・シールド】」
『バチチチ』
「ウギャアア」
スパーク・シールドに激突して悲鳴を上げるゴブリン達。
よしいい感じだぞ。
『主人よ、50%は溜まったぞ』
「よしそれで十分だ、やってくれ」
『ああ了解だ、出力50%スキル発動【サファイア・ボルト】』
『バチィン』
魔道王の発動したサフィア・ボルトは集まったゴブリン達へ向け放たれる。
『ウギャアア!!』
青い雷撃を受けたゴブリン達は悲鳴を上げながら感電していき、全員が一瞬にして黒焦げになった。
「よし、討伐完了っと」
『うむ』
「ご苦労様、魔道王」
『そっちも良い守りだったぞ』
「ありがとよ」
俺と魔道王がゴブリンを倒すと、ゴブリン達から隠れていたスライム達が色んな所から出てきた。
『ポニョポニョ』
「す、凄いですねシオンさん!」
スライムの一匹が俺の足下まで来てそう言った。
「いやいや全然だよ、それより怪我とかはないかい?」
「ありません!」
そう言ってスライムは右手をシュバっと額に当てた。
「それなら良かったよ、てかゲンさんはどこ行ったんだ?」
「お、俺ならここじゃよ」
『ヒョコ』
ゲンさんはスライムの大群の中からそう言ってヒョコっと頭を出した。
おいおいそんなところに居たのかよ。
「ゲンさん怪我はないかい?」
「大丈夫だ、しっかしシオンよお前強いなぁ」
「まぁね」
「はっはは、当たり前だろゲンさんシオン様はあのレパルスを倒した方だぞ!」
ゲンさんと話していると、何処からともなくリザ三郎が現れた。
「リザ三郎!」
「シオン様、トンネルの奥に隠れていたゴブリン共も始末しました」
「おお!ありがとう!」
「いえいえ」
サラッとゴブリンを倒してくれるあたり、リザ三郎は優秀だなぁ。
それに引き換え、トロッコにすら乗らなかったリザ吉三郎ときたら……まぁいいかそんな事は。
「シオンや、ゴブリンも片付いた事だし炭鉱を案内するぞ」
「本当かいゲンさん!よろしく頼むよ」
そうして俺はゲンさんの炭鉱を見て周り始めるのだった。




