55話 ドワーフのゲンさん
ーー4層、ドワーフの炭鉱都市にて
直径は東京ドームの2倍ほどの広い空間に、無数の横穴が広がっている地下都市には、数多くのドワーフ達がいた。
「さぁシオン様、俺たちについて来てくださいね」
「あ、ああ」
そう言ってリザ三郎とリザ吉三郎の2人は、階段を降りてドワーフの炭鉱都市へと歩き始める。
にしても4層にこんな立派な都市があったとはなぁ。
俺も将来的にはこんな感じの街を作ってみたいものだ。
「いらっしゃーい、武器はいかがですかぁ!」
「美味しい蒸したジャガイモもあるよー!」
下へ降りると武具屋に食べ物屋さんなど、色んなお店があった。
うーん良いなこの街、俺の理想のダンジョン都市って感じがして、すごく好きだ。
「なぁリザ三郎!あのジャガイモ買ってみないか?」
「シオン様、我々は石炭を買いに来たのです、無駄遣いはいけませんよ」
「す、すまん」
リザ三郎に怒られてしまった。
まぁでもあとでこっそりと買いに行くのもありかも……って俺、お金持ってないじゃん。
こんな事ならリザ村長からお小遣い貰っておけば良かったな。
「さぁシオン様、あそこにあるのが石炭を売っている炭鉱夫のゲンのお店です」
「ほぉあれがそうなのか」
炭鉱都市を歩く事5分、俺たちは石炭が売っているというゲンのお店へとやってきた。
『カラン』
「おーいゲン、来たぞ!」
「おおリザ三郎!久しぶりじゃなぁ」
ドアを開けるとそこには、年老いたお爺ちゃんドワーフが椅子に座っていた。
「ゲン、腰の具合はどうだ?」
「だいぶ回復したんだが、まだ動けそうにはないな」
「え、お爺ちゃん腰悪いの?」
俺はリザ三郎とゲンの会話に咄嗟にそう言って入ってしまった。
「おや誰だいこの可愛い坊やは?」
「おいおいゲン、やめてくれよ可愛い坊やなんて、そのお方はシオン様と言って今の領主様なんだよ」
「りょ、領主だと!?この子供がか!」
そう言ってゲンは驚いて目をまん丸にした。
その反応めっちゃ普通なはずなんだけど、このダンジョンで初めてされたな。
「ああそうだよ、今俺はリザードマンの村の領主をしているシオンだ、もっと言えば10層以外のレパルスの領地も暫定的だけど統治してるよ」
「こんな子供が統治か、凄い世の中になったのぉ」
「まぁそうだね、ていうかお爺ちゃん腰痛くて動けないの?」
「おうそうじゃ、もう歳なのかすぐに身体にガタが来てな、お陰でロクに石炭の配達もできなくて困っておるのじゃよ」
「え、石炭の配達とかもしてるの?」
「おうそうじゃよ、ワシは自分で掘った石炭をリザードマンの里やエルフの森なんかに届けておるのじゃが、最近はできていなくてなぁ」
ゲンはそう話すと悲しそうな顔をした。
石炭の配達ってそれ、もしかしてかなり良いビジネスになるんじゃないか。
ダイアとか小太郎に手伝って貰えれば、石炭をこのダンジョンの色んなところへ売り込んで行けるはずだ。
そうしたらお金が沢山稼げるかも!
「なぁお爺ちゃん、石炭の配達だけどさ俺にやらせてもらえないかな?」
「なっ、シオン様!いきなりなんて事を」
「すまんリザ三郎、でも困っているお爺ちゃんを見捨てて置けなくてさ」
俺は半分本音で半分嘘をつきそう話す。
「ほう、その心意気気に入ったぞ小僧、良かろうその話もう少し詳しくしようじゃないか!」




