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【隠しスキル100個持ち!?】無能と勘違いされダンジョンに置き去りにされた貴族の六男、最深部で王国を築く。   作者: 神崎あら


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5話 迷宮ウルフ


ーー水のダンジョン6層、獣人族の村にて


 俺たちはラビットの獣人タレミィに案内され獣人族の村へと来ていた。


 「へぇ、じゃあ昔は人相手の商売もしていたのですか?」

 「はいしてました、その名残で人語が少し話せます」

 「なるほど、人語が話せるのはそういう事だったのか」

 「ええまぁ、私たち獣人の標準語は獣人語なのでそちらのミノタウロスさんと同じです」


 そう言ってタレミィは小太郎の方を見た。


 「ミノタウロスの小太郎と言います、よろしくお願いします」

 『キラッ』


 小太郎はそう話すと綺麗な歯を見せてニコッと笑った。


 「え、ええよろしくお願いします」


 その様子を見てタレミィは頬を引き攣らせてそう笑い返す。

 小太郎のやつ草しか食べてないからなのか、やけに歯が綺麗だな、まぁそんな事どうでもいいか。


 「タレミィさん、人相手の商売をしていたと言ってましたがもうしてないのですか?」

 「はいもうしていません、人相手の商売はかれこれ50年ほど前の話ですし」

 「50年!?」

 「驚きですよね、この村も50年ほど前までは人で溢れていたそうですよ」


 50年前までは人で溢れていたね……。


 「……」


 村を見渡してみたが人の姿はどこにもない。

 それどころか、村を歩く獣人の姿もあまり多くなく見た感じ空家も多い。

 この村、何かわけありなのかもな。


 「さぁ着きました、ここが私のお家です」


 村を歩くこと数十分、俺達はタレミィの暮らすお家へと案内された。

 破れた屋根に所々穴の空いた壁……なんというかボロいお家だな。


 『ツンツン』

 「どうした小太郎?」


 俺がタレミィの家のあまりのボロさに驚いていると、後ろにいる小太郎が俺の背中を優しく小突いてきた。


 「なぁシオン、この家ボロくね?」

 『ピクッ』


 小太郎がそう言うと、前にいるタレミィの耳がピクッと動いた。


 「……やっぱりボロいですよね」

 

 タレミィは悲しそうな顔でそう呟く。

 

 「おい小太郎、言い過ぎだぞ」

 「す、すまん!悪気はないんだ」

 「いいんです、自分でもボロいとは思っていたので」


 そう話すとタレミィはぎこちなく笑った。

 

 「何かあったんですか?」

 「え?」

 「いや村の様子や貴方のお家を見てそう思って……」

 「あっはは、やっぱり廃れてる感ありますよね」


 空家だらけで人気の少ない村にこのボロい家。

 明らかに何かあったよな。


 「廃れている……確かにそんな感じです、以前はそうではなかったようなので気になって」

 「ああ50年前の話ですね、さすがにこんなに廃れ始めたのはそんなに前ではなくて、ほんの2年前から起きたある出来事のせいです」

 「その出来事とは?」

 「それはーー」

 『カンカンカン』


 タレミィさんがわけを話そうとした時、村の中心から大きな鐘の音が聞こえた。


 「……奴らか!皆さん、急いで部屋の中へ」

 「え、ちょっ、どういう事ですか?」

 「いいから急いでください」


 そう言ってタレミィは俺達2人を家へと押し込んだ。


 「お、押すなって」

 『ガウウ』


 その時、タレミィの背後に青白い毛皮の狼が現れる。


 「しまった、もうこんなところまで」

 『ガウッ』


 狼はそのままタレミィへと飛びかかった。


 「た、助けて!」

 「スキル発動【スパイダーネット】」

 『バシュッ』


 襲われる寸前で俺はスパイダーネットを使い狼の動きを止めた。


 『ギャウウ』

 「す、凄い」

 「関心している場合ではありません、タレミィさんこの狼は一体なんですか?」


 俺はタレミィさんへそう訊ねた。


 「この狼は迷宮ウルフと言うダンジョンモンスターです」

 「迷宮ウルフ……」

 「はい、そしてこの村は迷宮ウルフの群れの支配下にあるのです」


 タレミィさんは悲しそうにそう話すと俯いてしまった。

 なるほどそれが村が廃れた理由か。

 しかしまぁ迷宮ウルフね、もし仲間にできれば良い戦力になりそうだし、ここは一つタレミィの村を助けつつ狼と交渉してみるのもありだな。

 


 

 

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