48話 シオンの覚悟
ーー14層 大草原にて
『グオオオオオ』
ぶつかり合う俺のサファイア・ボルトとレパルスのライオン・ハイブレス。
しかし出力で僅かに上回っている俺のサファイア・ボルト。
そのためサファイア・ボルトはゆっくりと、レパルスに迫っていた。
『主人よ、このまま行けばサファイア・ボルトでレパルスを押し切れるがどうする?」
「……押し切った場合、レパルスはどうなる?」
『おそらく死ぬだろう、ナディアの耐久が異常なだけで95%のサファイア・ボルトを受ければ、いかにレパルスといえど命を落とす』
そう話す魔道王。
つまりこのまま押し切ればレパルスを殺す事になるという事か。
なら押し切るのはダメだな。
「……魔道王、一つ提案があるんだけどいいか?」
『提案とはなんだ?』
「サファイア・ボルトを止めて、即座にサファイア・バリアに切り替えて欲しい」
『できるにはできるが……そうなればこちらがあのブレスを少しの間モロに受ける事になるぞ』
「構わない、やってくれ」
『切り替えは2秒ほどかかる、耐えられるのか?』
「任せろ、俺には常時発動スキル【身体強化】がある、耐久力もナディアほどじゃないが、レパルスよりもはあるさ」
『そうか、なら3秒後に切り替えるぞ』
「ああ頼む」
家族を人に殺された獣人レパルス。
ミカさんを誘拐したり、リザードマンの事を騙してたりとやっている事は悪いけど、レパルスの作りたい獣人だけの国の話を聞けば、真の悪って感じはしなくなる。
そんな奴をここで失うのは惜しい。
生きてもらって俺の側近になって、働いてもらいたいから、ここは何としても命を救わせてもらうぞ。
『3、2、1……いくぞ主人!』
「おう、来い!」
『フッ』
『ズオオオオ』
魔導王のカウントダウンの掛け声と共に消失するサファイア・ボルト。
そうして俺の元にライオン・ハイブレスが勢いよく吹きつける。
「くっ、なんて熱さだ、でも耐え抜いてみせる!」
『……よし、スキル発動【サファイア・バリア】』
『キュオオ』
耐えること約2秒、魔道王はスキル【サファイア・バリア】を展開した。
『ギュオオ』
サファイア・バリアにより防がれるブレス。
「はぁはぁ……し、死ぬかと思ったぁ」
『まったくだ主人よ、ただこれでもう大丈夫だろ』
『シュオオオ』
レパルスのブレスは、最初ほどの威力が無くなってしまい次第に弱まっていった。
「スキル発動【スパーク・バインド】」
『バチィン』
俺は弱まっていくブレスをみて、レパルス本体にスパーク・バインドを当てた。
「くっ、やるなぁシオン」
「お前の負けだレパルス、終わりにしよう」
「終わりだと?ふっ、私はまだ負けてなどいないっ!」
『バシュッ』
レパルスはそう叫ぶとスパーク・バインドを力だけで破ってしまった。
「なっ、マジかよ」
「終わりなのはお前の方だシオン!スキル発動【ライオン・クロー】」
『シュバッ』
そう言って向かってくるレパルス。
『フッ』
レパルスが向かってくるまさにその時、サファイア・バリアのエネルギーが切れてしまう。
「ま、まずいバリアが!」
「シオンよさらばだ!」
迫るレパルス。
流石な俺でもあの巨大な爪で切り裂かれれば、無事では済まない。
「くっ、スキル発動ーー」
「遅い!」
『スカッ』
「え?」
振り抜いたレパルスの手に、巨大な爪は無くなっており、巨大な手だけが俺の目の前で空を切った。
『ドサッ』
そしてそのままレパルスも地面に倒れ込んでしまった。
『主人よ、どうやらレパルスのスタミナが切れたようだ』
「……あ、危なかったぁ」
『何とかなったが、ギリギリだったな主人よ』
「ああそうだな、まぁでも勝てて良かったよ」




