42話 救出作戦
ーーナディアの城、別館表口にて
『キュポ』
「す、すげぇ本当に空気がある、スゥゥハァァ」
別館に入るとダイアはそう言って深呼吸を始めた。
まぁ確かに湖の底の城の中に酸素があるって、不思議だよな。
「シオンさん、ミカさんについて教えていただきたいのですが……」
タレミィが恐る恐る俺にそう訊ねてきた。
そうだった、タレミィとダイアにミカさんの説明まだしてなかったな。
「えっとミカさんって言うのはーー」
ーー3分後
「なるほど、リザードマンの村で育った人の子が本当はレパルスが誘拐してきた子で、王族だったわけか」
「うん」
「凄いなそれ」
「うん」
「色々盛りだくさんな子ですね、ミカさん」
ダイアとタレミィの2人には、ミカさんが王族である事とレパルスに誘拐されてきた子であることなど、ミカさんに関する俺の知り得たこと全てを伝えた。
2人も色々驚いているようだけど、なんとか理解はしてくれたし、リザ吉のところへ向かうか。
ーー別館、牢屋前にて
「くっ」
「大丈夫かいリザ吉」
「小太郎さん、すみません」
「いいんだ気にするな、俺だって気絶しちゃってたわけだしさ」
「おーいリザ吉!」
「シオン!」
「え、小太郎!?」
別館の牢屋前まで行くと、倒れているリザ吉とその介抱をする小太郎、そして3体の気絶しているリザードマンがいた。
「お、小太郎じょねぇか」
「小太郎さん!」
「ダイアにタレミィまで、皆んな来てくれたんだね」
そう言って小太郎は嬉しそうに笑顔を浮かべた。
「小太郎、ここで一体何があったんだ?」
「えっとね、そこにいるリザ吉と村長達リザードマンと一緒にレナティっていうナーガと戦ったんだけど、負けちゃったんだ」
「レナティか……」
リザ吉達リザードマン4体と小太郎を倒しているのをみると、このレナティって奴相当な手練だ。
そいつの相手は俺かダイアがやった方がいいな。
「小太郎、そのレナティってのは地上に向かった感じだよな?」
「うん、多分そうだと思う、レパルスが本当のボスで会いに行くって言ってたし」
「なるほどな」
ここにくる途中、俺たちはレナティ達を見ていない。
てことはつまり、ここ別館にも本館と同じように地上へ通ずる隠し階段があるのだろう。
まずはそこまで行かないと。
「シオン様……」
「リザ吉か!」
その時、小太郎の近くで横たわるリザ吉が俺の名を呼んだ。
「ミカ様をどうかお助けお願いします……あの子は、レナティに我々リザードマンが誘拐して連れてきたと嘘を吹き込まれた時、大変に怖かったと思います」
「リザ吉……」
「それでも彼女は懸命に笑顔を作り、それまでと変わらず私達に接してくれていました、それができるということは、ミカ様は心のお優しいお方です、そんな方が不幸になるなどあってはならないのです」
リザ吉は悔しそうに涙を浮かべながらそう話す。
今まで何も知らず家族として育ててきたリザードマン達にとって、レナティの話は辛すぎるよな。
家族として育ててきたのに勝手に誘拐犯にされ、ミカさんはおそらくその話を信じてしまった。
そんな悲しい話を作った元凶を俺は許さない。
「もちろんだリザ吉、ミカさんはもちろん救うし、お前達リザードマンに酷いことをしたレパルスとレナティもぶっ飛ばす、だからここで待っててくれ」
「し、シオン様……」
「シオン、申し訳ないけど俺もここに残るよ」
「ああそうしてくれ、リザードマンを頼むぞ!」
「うん!」
「じゃあダイアそれにタレミィ、俺達はレナティを追うよ」
『了解!』
そうして俺たち3人はレナティを追うべく、別館の奥へ走り出す。
レナティ、それにレパルス。
リザードマンとミカさんにこんだけ酷いことしたんだ、この神杖の力を使って懲らしめてやるぞ。
『ドゴォン』
その時、突如として別館の壁が吹き飛びそこから何者かが現れる。
「お、お前は……」




