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【隠しスキル100個持ち!?】無能と勘違いされダンジョンに置き去りにされた貴族の六男、最深部で王国を築く。   作者: 神崎あら


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36話 勧誘

ーー真実の湖、湖底にて


 『おい、主人よ見えてきたぞ』


 魔道王がそう言うと、湖底付近を漂うナディアの姿があった。


 「このまま追うよ」

 『わかったが、あやつが仲間になるかはわからんぞ』

 「そんなのわかってるさ、でも可能性が0じゃ無いならそれに賭けてみたいんだ」

 『そうか、しかし主人よ何故そこまであの巨大蛇にこだわるのじゃ?』

 「……まぁそれは」


 ナディアを仲間にしたい理由は主にレパルスである。

 同じ三王のナディアがこんなに強いのに、あいつがあんなに弱いわけがない。

 おそらくあの時は手加減か何かをしていたのだろう。

 何か狙いがあってそうしていたのならば、レパルスは危険だ。

 そして今、俺にはリザードマンの村という領地もある、ナディアが味方につけば村の防衛も期待できる。

 攻撃戦力に防衛戦力なり得るとか一石二鳥だし、仲間にするしか無いよな。


 『答えぬという事はなにか、話し辛いわけがあるという事なのだな』

 「まぁそうだね」


 曲がりなりにもレパルスは今は味方である。

 そんな味方を疑うような真似、あまり好まれる事ではないし、話すべきじゃないよな。


 『ならば良い、深くは聞かぬさ』

 「助かるよ」


 そうして俺たちはナディアの方へと向かう。


 『ゴポポポ』


 気絶するナディアに近づいてみたが、こいつ本当に大きいな。

 全長10メートル以上なんてもんじゃない、20メートルはありそうだ。


 『主人よ、念のため捕獲スキルなど使っておくか?』

 「いやいいよ、俺が説き伏せるよ」

 『お、おう』


 これから仲間になろうって相手を拘束なんてできない、言葉での説得でどうにかしないと。

 そう言って俺は湖底に沈みゆくナディアの身体に触れる。


 『ピトッ』

 「スキル発動【感電撃】」

 『ビリリ』


 身体に微弱な電気を流し込み、ナディアを起こしにかかった。


 『ぬはっ、な、なんだこの電気は……』

 「やぁ、起きたみたいだね」

 『貴様は侵入者か!』


 そう言って目覚めたナディアは、俺を睨みつけた。


 「落ち着けナディア、俺は別にお前にトドメを刺しにきたわけじゃない話をしにきただけさ」

 『話だと?』

 「ああそうだ、端的に言うと仲間になってほしいんだ」

 『仲間だと?なるわけないだろ、私に何の利益もないだろうし』


 まぁそうなるよな。

 さてと、ナディアの利益について考えないと。

 俺がこのダンジョンを支配した暁には、欲しいものをなんでもやるとかか?

 いやいやそんなので仲間になるはずがない。

 試しにここは、ナディア自身に何を求めているのか聞いてみるか。


 「ナディアよ、お前の言う利益ってのはなんだ?」

 『ふふ、そんなの簡単なことよ、静かに暮らしたいそれが一番の利益だ』

 「へ?」


 静かに暮らすだと?

 何を言ってるんだこいつ、ナディアはミカさんを攫った悪い奴だろ。

 いや待て、ナディアはミカさんを攫ってない、ミカさんがナディアのところへ逃げてきていたんだ!

 でもそれって……。


 『どうした侵入者よ、顔色が悪いぞ』

 「なぁ、ナディアよお前もしかしてミカさんが何者か知っているのか?」

 『……ミカ?ああ、もちろん知っているさ、あの子は1歳の時に誘拐されここへ連れて来られた貴族の子だろ?』


 ゆ、誘拐!?

 リザードマンの村長が拾ったんじゃないのか?


 「誘拐って、あの子はリザードマンの村長が拾ったんじゃないのか?」

 『いや違うぞ、ミカはレパルスによってダンジョンの外から連れてこられた子だ』

 「なんだよそれ!」

 『おそらくレパルスがリザードマンの村の近くにミカを捨てたのだろう』

 「そんな……何のためにレパルスはそんなことをするんだ?」

 『さぁ知らんな、私もアイツが人の子を攫うという話を部下から聞いただけだからな、理由まではわからんさ』


 そう話すとナディアは眠そうにあくびをした。

 もしも今のナディアの話が本当ならレパルスはやっぱり危険だ。

 でもなんでレパルスは誘拐なんてしたのだろうか、その理由が気になる。


 『まぁ詳しくは知らんが、レパルスは人間を憎んではいたな』

 「憎むだと?」

 『ああ、その昔奴は一度、冒険者の一団に家族を討伐されている、それが原因で人族を強く恨んでいるらしい』


 おいおいそんな話、初耳だぞ。

 せっかくだし、このままナディアに気になってるあの事も聞いてしまうか。


 「なぁナディア、レパルスってお前よりも格下なのか?」

 『格下か、そこまで弱くはないぞなんたって私とアイツの戦績は10戦10引き分けなのだからな』


 ……なるほど、やっぱりレパルスは強いのか。

 しかしなら何故レパルスは俺の味方をしてくれているのだろう。

 人嫌いのアイツからすれば、俺の事も憎いはずなのに……って待てよ、レパルスってここへ来るよな。

 タレミィ達に連れてくるように頼んでるし、ならその時色々真意を聞いてみるのも悪くないかも。

 

 


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