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【隠しスキル100個持ち!?】無能と勘違いされダンジョンに置き去りにされた貴族の六男、最深部で王国を築く。   作者: 神崎あら


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34話 最大スキル


ーー真実の湖、水中にて


 「おい魔道王、本当にこの状況をどうにかできるのか?」

 『もちろんじゃ、私の最大スキルを持ってすればこんな水渦なんてちょちょいのちょいじゃ』


 魔道杖はそう言ってるけど、本当にやれるのだろうか。

 別にこの杖の強さを疑ってるわけじゃないけど、何かしらの反動はあるのかなとは思っている。

 まぁでも……。


 『ゴォオオオ』


 そうも言ってられないんだけどね。


 『主人よ、では行くぞ』

 「え、もうやるのか!?」

 『時間がないからな、最大スキル発動【サファイア・ボルト】」

 『ギュオオ』


 魔道王がそう言うと杖の先端に青い光が集まり始める。

 え、いやいや【サファイア・ボルト】って最大スキルだったのかよ!


 「おい魔道王、【サファイア・ボルト】が最大スキルなのか?」

 『いかにも、この【サファイア・ボルト】こそが我がスキルの最大火力である、ただこのスキルにも欠点があってな』

 「欠点?」


 おいおい自分で欠点って言っちゃうのかよ。

 にしても最初に使ったスキルが、最大スキルだったとは。


 『まぁ欠点と言うには大した事ないのだが、簡単に言うとこの【サファイア・ボルト】は、溜めが長ければ長いほど威力が上がるのだ、故に先ほど主人があの巨大蛇に放ったのは、最低威力なのだよ』

 「ため技だったのかよこのスキル!?」

 『そうじゃよ』

 「なら初めからそう言ってくれよ」

 『い、いや最大スキルがため技ってなんかダサいかなって思ってな』


 魔道王は恥ずかしそうにそう話す。

 

 「ダサくないだろ、むしろ最低威力でアレなら期待できるでしょ」

 『そう言ってくれるとありがたい』

 『キュキュッ』

 『主人よ、どうやら最大威力の充電が完了したようだぞ』

 「了解!」


 俺は青い光を放つ杖の先端をナディアへと向ける。

 最大威力の【サファイア・ボルト】か、一体どれほど強いんだろうな。

 てか待てよ、電撃を水の中で撃ったらまずいんじゃ。


 『行くぞ主人よ、最大出力じゃ!!』

 「お、おいちょっと待ってくれ……」

 『ぬおりやぁぁあ!』

 『ズドォン』


 俺の制止も聞かずに魔道王は最大威力の【サファイア・ボルト】をナディアに向けて放った。


 『バチチチチ』

 「す、凄い威力だ」


 放たれた青い雷は水中で拡散することも無く、一直線にナディアへと向かっていく。

 これなら俺にも感電はしなさそうだな。


 『ムム、何だこの雷は……ぐはっ』

 『バチバチバチ』

 

 そうして青い雷は大渦ごとナディアへと命中し、黒焦げにしてしまった。


 『く、クソォ、こんなところで敗れるとは……』

 『ゴポポポ』


 そう言ってナディアは、深い水の底に落ちていった。


 『やったぞ主人よ!巨大蛇を見事に倒したぞ」

 「ま、まずい……」

 『まずいとは何だ主人よ、巨大蛇を倒したのだぞ?』


 魔道王は不思議そうにそう訊ねる。

 すまんな魔道王、俺はナディアを倒したかったわけじゃないんだ。


 「おい魔道王!今すぐナディアを追うぞ」

 『な、何を言っているんだ?』

 「いいから早く!」

 『なぜそんな事をするんじゃ!?』 

 「俺はあいつを仲間にしたいからだよ!」

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