3話 ダンジョンの生態系
ーー水のダンジョン、5層にて
「シオン、これからどうするんだ?」
『むしゃむしゃ』
ミノタウロスの小太郎は、そこら辺に生えていた雑草を食べながら俺にそう訊ねてきた。
「まずは食料かな、人族である俺の食料を探さないと」
ダンジョンに来てみて思ったが、意外と食料が乏しい。
草木はそこら中にあるのだが、肝心の木の実がない。
おそらくどこかに集中して生えているところがあるのだろうけど、まずはそこを見つけないとな。
あとミノタウロスの主食が草なの初めて知ったな、肉食かと思ってた。
「なるほどシオンの食料か、草はダメなのか?」
「ダメじゃないけど、タンパク質とか栄養が諸々足りないんだよ、せめて卵とかあれば……」
「卵ならあるぞ!」
小太郎はそう言うと俺の手を引いた。
「お、おい小太郎、卵ってそんなのどこにあるんだよ?」
「ついてくればわかるさ」
そうして俺は小太郎に連れられて、ダンジョンの奥へと進む。
ーー数分後
「す、すげぇ」
小太郎に連れられること5分、俺は大きな鳥の巣に案内される。
そして巣には大人の半身ほどの大きさの卵が多数あった。
「大陸怪鳥っていう飛ばない鳥の巣なんだ、これならシオンも食べれるよな」
「お、おうこれだけ大きければ何日かは大丈夫だと思う」
大陸怪鳥とか、聞いた事ないぞ。
一応、ダンジョンで暮らすことを想定して、色んな図鑑を読んだけどこの大鳥の事なんてどこにも書いて無かった。
やっぱり実際に暮らしている奴の知識は凄いな。
「よし、じゃあ早速持って帰るか」
そう言って小太郎は卵に近寄った。
「待て小太郎、卵を回収する前に色々と準備する事がーー」
『グオオ!』
小太郎が卵に近寄ったタイミングで、巣の脇からおそらく親の大陸怪鳥が顔を出した。
「や、やべぇ、シオン逃げろ!」
「いや逃げなくていいよ、スキル発動【スパイダーネット】」
『バシュッ』
『グォッ!』
俺はスキル【スパイダーネット】を使い、一瞬にして、大陸怪鳥を拘束した。
「すげぇ……」
小太郎はそう言うと、持っていた斧を持ったままボーっと立ち尽くしていた。
「小太郎、とりあえず卵の場所はわかったし、今日のところは退散だ」
俺はそう言って大陸怪鳥の巣から踵を返す。
「でもあの拘束はどうすんだ?」
「心配ないよ、2時間もすれば糸は自然と溶けるから」
「なるほど!」
小太郎はそう言うと俺のあとについてきた。
しかし図鑑で知った気になってたけど、ダンジョンの中にはまだまだ俺の知らない事が多いな、この調子なら他の食料とかももっと見つかるかもな。
あとは小太郎以外の協力者も集めないと。




