2話 ダンジョン生活のはじまり
ーー水のダンジョン、5層にて
『パシャッ』
俺は見つけた泉から両手で水を掬うと、それを勢いよく顔にぶつけた。
「くぅ、気持ちいい、自由って感じだ!」
生まれてから12年やった事といえば剣術指南と勉強のみ、やっと手に入れた自由だ。
満喫してやるぜ。
「さてと、いい感じの泉もあるしここに家でも作るか」
俺はそう言うと地面に手を置いた。
「スキル発動【錬成師】、ハウス錬成」
『ズオオオ』
そうして土の中から土製の家が出現した。
「うん、これなら住むには困らなそうだな」
窓は2つで扉は1つ、中はワンルームほどをイメージして生成した感じだが、上手くいってるだろうか。
俺は恐る恐る、家の中へと入っていった。
「うわぁ、引くほど上手くいってんじゃん」
部屋の中はまさに俺のイメージ通りのワンルームとなっていた。
「うんうん、いい感じの広さだしここに住むとしよう、水道とかは近くの泉から引いてくるとして、電気とかはどうしようかな」
毒親の束縛から逃れた今の俺には、開放感かが半端なく、なんでもできる気がしている。
「まぁでもとりあえずは、食料かな」
そうして俺は部屋を出た。
「……」
「ブオ?」
部屋から出るとそこには、大斧を持ったミノタウロスがいた。
おお、このダンジョン内で出会った初モンスターか。
さてさてどうしたもんかな。
「ブオブオ!」
ミノタウロスは俺を見るなり、ブオブオとミノタウロス語を披露してきた。
うーん、当たり前だがわからんな。
仕方ないここはあれを使うとするか。
「スキル発動【言語拡張】」
スキル【言語拡張】とは、自分の言語能力を拡張させて人以外の種族の言語を即座に習得できるスキルである。
「おいお前!どこから来たんだ、ここは俺の縄張りだぞ」
「お、聞こえた、聞こえるぞお前の言葉が!」
「な、何を言ってるんだ?」
言語拡張によりミノタウロス語を習得した俺はおそらく人類初、ミノタウロスとの対話に成功するのだった。
ーー数分後
「……お前、結構壮絶な人生だったんだな」
ミノタウロスの小太郎はそう言うと、軽く涙を流した。
俺はこのミノタウロスの小太郎に、自身の歩んできた12年について話した、毒親だった事や、スキルを100個持っていることを隠していた事など、わりと嘘なく話した。
「おう、中々壮絶だったよ、だからさ小太郎!俺はここのダンジョンに自分の国を作りたいんだ、誰もが自由で笑顔が溢れる国をさ!」
俺はそう言って両手を広げる。
「面白いなシオン、その話俺も乗っかるよ」
そう言うとミノタウロスの小太郎はニコッと笑った。




