22話 ナディアの三英傑
ーー9層、帰らずの泉にて
「よし、15分経ったし行こうかリザ五郎」
「了解ですシオン様、あと私の名前はリザ吉です」
「す、すまんリザ吉」
分身体が泉へ潜ってから15分ほど経ったので、俺とリザ吉も真実の湖へ向かう事にした。
リザードマンって全員が同じ顔してるから、違いがよくわからんな。
「ではシオン様、私の背中におつかまり下さい」
「ありがと」
『ガシッ』
俺はリザ吉に言われた通り背中につかまった。
「行きますよ!」
『チャポンッ』
そうして俺たちは泉の中へと入っていく。
『ギュウウウン』
俺を乗せたリザ吉はぐんぐん泉の底へと潜っていく。
『ポウッ』
な、何だあれ!
泉の底に光る穴がある。
あそこから15層へ行くのか?
『ありました!あそこから15層へ行きますよ』
『コクコク』
リザ吉からそう言われた俺は水中だと話せないため、無言で複数回頷いた。
『じゃあ行きますよ!堪えててくださいね』
『コクコク』
『キュオオオ』
そうして俺達はその光の穴に吸い込まれていく。
ーー15層、真実の湖にて
『チャプッ』
「着きましたよシオン様」
光の穴を潜り抜けるとすぐに水面に浮上した俺達は、真実の湖の水面から顔を出す。
「ありがとリザ吉」
「いえいえ良いのですよ、これくらい」
その時、岸にいるゴリマッチョな人影が俺の視界に入る。
な、なんだあのマッチョは?
「よぉお前ら!遅かったな、待ちくたびれたぜ」
人影はよく見ると筋骨隆々な魚人だった。
「なんだお前、一体誰だ?」
「ほほう、この俺にそんな口を聞くとは、お前なかなかに度胸があるな」
俺がそう訊ねると自身あり気に魚人はそう話す。
話しかけただけなのに度胸を褒められるとは、てか本当にこいつは誰なんだ?
「度胸とかいいから、お前の名を教えてくれ!こっちはお前の事がさっぱりわからん!」
「ほほう……マジかお前、ナディア様の三英傑について本当に何もしらないのか?」
「知らん!ナディアの三英傑ってなんだ?」
「なっ、正気かお前、死にたいのか?」
「いや本当に名前を知らないだけなんだ、教えて欲しい!」
「ふざけるな!俺の名を知らないなんてあり得ない!!いくぞスキル発動【水鱗】」
『ギラギラ』
マッチョな魚人がそう言うと、魚人の身体全体に魚の鱗のような物が覆いはじめた。
「な、なんだその身体は……」
「ふっははは、見たかこれぞ俺の真骨頂である水鱗だ」
「いやいやまんま魚だろ」
そう話す魚人の体には、お尻のところに魚の尻尾のような物が生え、身体はテカテカとした鱗に覆われていた。
つかこいつ、マジで名を名乗らないな。
まぁいいや、まずはこいつを捕らえてナディアについて色々吐かせる事にしよう。




