17話 25層について
ーー水のダンジョン、10層にて
レパルスの降伏宣言から2時間後、俺とレパルスは今後の方針について、獅子王の城で話し合いを始めていた。
「してシオンよ、先ほど配下になるとは言ったがな、いきなり俺が持つ全ての領土を渡すと言うわけではない」
「え、そうなの?」
おいおい配下になると言っときながらそれはないだろ。
「当たり前だ、俺が元々持っていた領地や獅子王陣営にとって重要な土地は、申し訳ないがまだ差し出せない」
「でも配下になるって……」
「配下にはつく、だがそれはシオンよ、お前が戦をする時に協力するというものであって、お前が俺の領地全てを支配できるというわけではないのだ」
「な、なるほどな」
「だがしかし領地は渡す」
そう言ってレパルスは、部下に地図を持って来させた。
「凄いなそれ」
「これはこのダンジョンの見取り図である」
『バサッ』
レパルスはそう話すと地図を机の上に広げた。
「こんなものがあったのか」
「なんだシオンよ、ダンジョンの地図を見るのは初めてなのか?」
「見るのも初めてだし、存在も知らなかったよ」
「ほぉ、それならば驚きが多いかもな」
ダンジョンの地図か見たところ結構ボロい。
でもかなり詳細に描かれてるっぽいな。
1~25層までの説明が細かくされている。
「まずはここ、1~10層までについてだが」
そう言ってレパルスは、地図で1~10層を指差した。
「あ、ああ」
「ここは安全領域と呼ばれるところで攻略難度は低く、出てくるモンスターもそれほど強くはない」
「ほほう」
なるほど1~10層は安全領域だったのか。
確かにモンスターのレベルもそこまで強くなかったし、この情報は結構信用できるかも。
「そしてこの11~20までを中間領域といって、ここら辺から大型種が出てくるようになる」
「大型種?」
「ドラゴンやケルベロスの事だ」
ドラゴンか……そりゃまぁいるよな。
あー、仲間にしたい。
「教えてくれてありがとう、楽しみにしてるよ」
「楽しみ?」
「あ、これはその、未知なる領域に挑めるのが楽しみって意味だから」
「そうか、まぁ間違ってもドラゴンと戦おうなどとは考えるなよ」
レパルスはそう念押ししてきた。
なんでそんな事言うんだろうか、俄然会いたくなってきたな。
まぁでもここは、わかったフリをしておこう。
「……わかった」
「うむ、それでその先の21~24層についてなのだが、そこは危険地帯と呼ばれており我ら三王ですら不用意には近づかないようにしている」
「そんなにヤバいのか?」
「ああヤバい、そこにはサイクロプスや巨竜の棲家となっていて、まず統治は無理だと考えた方が良いだろう」
おおー!なんだよ強そうなモンスター結構いるじゃん!
会ってみたいなぁ。
「ああ、俺も不用意に近づかないようにするよ」
俺はレパルスにそう言って、コクっと頷いた。
……絶対行こう。
「そして最後に25層についてだが」
「う、うん……」
「この場所についてはよくわかっておらん」
レパルスはそう言うとため息をついた。
「よくわかってないってどういう事?」
「文献や記録がないんだ」
「それでも行った事ある人くらいいるでしょ?」
俺がそう言うとレパルスは、うーんと唸りながら難しい顔をした。
「俺の知る限りそんな奴は知らん」
「ま、マジかよ」
「しかし言い伝えならある」
「言い伝え?」
「ああ、その言い伝えでは25層には国があるとされている」
「国?」
なんだよ国って、そんな話一度も聞いた事ないぞ。
「その昔栄えたとされるダンジョン国家、 アトラクティ、その跡地があるらしい」
「アトラクティ……」




