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オトシゲ:乙女は資源になりました。~男性絶滅後のディストピアで、学園侵略しちゃいます~  作者: 428の968
第一章:関東圏統一戦争

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4話:夜の訪問者

深夜3時。

武蔵野庭園学園の地下深く、蘇生ホールの扉が、音もなく開いた。

「——ねえ」

小柄な影が、暗闇の中でぼそりと言った。

「この学園ってさ、本っ当に貧乏だよね」

「蘇生プラント、Mk-Ⅱじゃん。Mk-Ⅱだよ?うちのMk-IVと比べてみてよ」

「食堂のご飯もまずかったし」

「制服もダサいし」

「三週間も潜伏してて、いいことな~んにもなかった」

三つの影が、ヘッドライトをつけて蘇生プラントの前に立っていた。

9日前、朝の庭園で、撫子に「良い一日を」と笑いかけた子たちだ。今は武蔵野の制服の下に黒いボディスーツを着て、腰にナイフ、胸元にMP40を下げている。

リーダー格の少女が、飴玉を口に放り込みながら、動力パイプを懐中電灯で照らした。

「まあでも、ここが一番大事なとこだから。ここさえ壊せば——」

「この学校のお姉さんたち、生き返れなくなるね」

「かわいそう」

「零お姉様が言ってたじゃん。『蘇生できない恐怖を与えることで、スムーズに降伏させる慈悲だ』って」

「そっかぁ。優しいね」

リーダーがC4爆弾を取り出した。手際が良く動力パイプに貼り付けていく。

「あ、そうだ」

別の子が、小型の端末を取り出した。

「キーのコピー、終わってる?」

「終わってるよ」

リーダーが飴玉を転がしながら答えた。

「三週間かけて全員分コピーしたから。武蔵野の生徒、全員ね」

「全員?」

「全員。一人も漏れなし。零お姉様に怒られたくないから、念入りにやっといた」

端末の画面に、ずらりと数字が並んでいる。武蔵野庭園学園の生徒、一万八千人分の蘇生登録キー。

「これがあれば——」

「このプラントが吹き飛んじゃっても、みんな霞学園で起こせるね」

「死んでも生き返れる」

「良かったねぇ」

そこへ、廊下から足音が聞こえた。

見回りの警備員だった。

「あ、見つかっちゃった」

「じゃあ、おやすみなさい」

音もなく、影が動く。警備員の生徒が、声も上げずに倒れた。

「よし、セット完了」

リーダーが立ち上がって、伸びをした。

「明日の朝、ドカンといこうね」

三人は、笑いながら地下を出た。

廊下はがらんとしていた。遠くで、風が窓を揺らす音がした。

「あとは、ビーコンも埋めないと」

リーダーが立ち上がった。

「どこに?」

「庭園の広場。真ん中あたり」

「あそこ、昼間は人がいっぱいいたじゃん」

「夜中だから大丈夫だよ」

三人は地下を出て、庭園に向かった。

夜の庭園は静かだった。ライトに照らされた噴水が、ひっそりと音を立てている。昼間、会長がベンチに座って資料を広げている場所だ。

リーダーが広場の中央にしゃがんで、携帯シャベルで土を掘り始めた。

「ここがど真ん中かな」

「いいんじゃない?」

小さな金属の筒を、土の中に埋める。

「これで明日、ここに転移門が開くわけ」

「きれいな庭園だったのにね」

別の子が、のんびりと言った。

「まあ、明日も庭園はあるんじゃない?」

リーダーが立ち上がって、土を軽く踏み固めた。

「血で染まるだけで」

三人は顔を見合わせて、また笑った。

噴水の音だけが、静かに続いていた。

また見に来てくれてありがとう!!

次回、5話 サクラチル です!

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