おまけ
エンデュミニオンとリュカオーンの、ある日の朝です。
映画のエンディング後にたまに流れる、ちょっとおまけな感じで。
「エンデュミニオン、まだ寝ているの?」
リュカオーンはエンデュミニオンの寝顔を覗きこんだ。
「朝よ、起きて。食堂にご飯食べに行きましょ」
うっすらとエンデュミニオンの眼が開く。
珍しく寝起きが悪い。
「どうしたの? 具合でも悪いの?」
「……夢を見ていた」
「夢? どんな?」
エンデュミニオンはけだるげに裸身を起こした。
長い筋肉質の腕を伸ばし、無造作にリュカオーンを抱き寄せて膝に乗せ、額にキスを落とす。
「おまえが黒髪の少女で、俺が金髪の男で、見知らぬ世界にいた」
「予知夢?」
「かもしれない」
「でも、私たち一緒だったのよね?」
「だと思う」
「だったらいいわ。二人一緒なら、どこでもいい。どこでも生きていけるもの」
リュカオーンは笑ってエンデュミニオンの両頬にキスを返した。
「そうか」
「そうよ」
エンデュミニオンが浅く微笑する。
「起きて食事に行こう」
「じゃ、着替えたら来て。先にいって用意しておくから」
「ああ」
弾むような足取りでリュカオーンが部屋を出て行きかけたとき、名を呼ばれた。
振り返る。
「なに?」
「……いや、なんでもない」
「なによ。ちゃんと言って。気になるじゃない」
軽く睨むと、エンデュミニオンは降参、といったふうに髪に指を突っ込んで、顔が見えないようにうしろを向いた。
「……おまえを愛している」
それはとてもぶっきらぼうで、愛想のない告白。
「……それだけだ。早く行け。俺もすぐ行くから」
リュカオーンは思わず駆け戻って、エンデュミニオンに飛びついた。
不器用な彼の姿勢のなにもかもが愛おしい。
「私も」
と、リュカオーンはエンデュミニオンの裸の胸に腕をまわして、きつく抱きしめながら言った。
「愛しているわ、エンデュミニオン」
これにて本当に 完
最後までありがとうございました!!
引き続きよろしくお願いいたします。
安芸でした。




