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閑話 運営そのいち

念願の運営視点!

時系列の乱れ?

大丈夫。そこは上手く調整するから




とある会社内オフィスにて


大人達が喝采を上げていた


理由は1つ。

たった今、β版の反省点を踏まえて完成した『OUTLAW・ONLINE』通称『OLL』の製品版のサービスが開始したからである。


今、この場には上司も部下も関係ない。

ゲームが完成した純粋な喜びあるのみ


「しゃあぁぁ!漸く完成したぜ!」

「先輩!遂にやりましたね」

「専務。もう少し声を抑えてください」

「そう言ってやるなよ。専務もここ最近まで立て続けに起きていたバグ修正に尽力してたんだからさ」



ワイワイいっている大の大人たち

しかし、彼等が騒ぐのも無理はない。


何せ、前代未聞の最高傑作。


現実の感覚を完全に再現したVRMMOゲームが遂に完成したのだから。今までにかけてきた労力と時間、そして莫大な費用を思うと涙を禁じ得ない



とはいえ、まだ油断はできない。何故なら


「しっかし、β版ではうまく行ったがどうなるかね〜」

「世界には変人が一定多数居ますからね……」


そう。幾らβ版で検証データを温めたとはいえ、世の中には常人の思いもよらぬ行動を取る予測不可能な人物。つまり、変人が一定数必ず居るのだから



しかし、逆に言えばそんな変人達でも満足できるゲームなのだ。ゲームの自由性を保証する。それにおいてはかなりの利点だろう



ただ、運営(主に調整担当)からすれば微妙なのだが

多くの人に好まれるといった点では、勿論有り難い。


しかし、それはそれとして、出来れば常軌を逸脱するような行動は取らないでバグを出現させないで欲しいというのも、運営の本心なのである


なので、変人は警戒対象となる。



そして、話題はβプレイヤーに移る


「そういえば、β版には情報屋なんてしている人もいましたね」

「あ〜、あの掲示板な。問題行動を起こしているわけじゃないし、放置でいいだろ。一応情報に対する正当な報酬は貰って居るようだし」

「ま、所詮β版はお試しですからね。対して重要な情報も出していない筈ですし、このままで充分でしょう」



「ゲームがまだ始まっていないのにも関わらず多くのスレが立てられてますからね」

「それほど楽しみにしてくれている人達がいるってことだ。嬉しいじゃないか」

「「「違いない!!」」」



談話しながらその時を待つ。

そして、待ちに待ったゲームが発売された




そして、突如として狂ったようにアクセス数が増加する。メロスで登場したあの大河のような凄まじい勢いでプレイヤーが増えていく。



「一斉ログインを確認!凄いですね!ドンドンプレイヤーが増えていきます」

「いや、逆に過疎ってたほうが問題だからな?」

「それもそうですね。それに、サービス開始まで24時間ありますし、設定だけして去っていくのでは?」

「そらそうだろ。チュートリアルで経験値を上げ続けることはできなくしてるし、ダメージで死ぬこともない」

「バグ対策は万全…ってことですね」


そうして、増加していくプレイヤーたちを見て、これからの始めるゲームの世界に期待を膨らませる一同であった




数時間後……

先程、余裕たっぷりでバグなんて発生しないと、期待に満ちていたあの室内は、今は阿鼻叫喚の地獄一歩手前だった。



原因はたった一人のプレイヤー。

「どうなってやがる?何で死人が出るんだよ!?いや、確かに設定上はリアル準拠にはしてるけどよ……」


リアル準拠ならば幾らステータスの補正があろうと首が刎ねられれば死ぬ。


ただ、まともな奴ならこんなことにはならないのだ




……まともな奴なら




「自分で首を刎ねるって……頭イカれてるんじゃないですか?このプレイヤー」

「本当だよ。お陰で、初期デスのフォローの判定バグを治すハメになったじゃねえか」


元々、チュートリアルでは死なない設定だった

だからこそ、もし死んだときの補填をどうするかなど考えていなかったのだ。



「でも、少しの作業で収まる程度のバグで良かったですね」

「そこは気にしてない。問題なのは社長がアイツに目を付けたことだよ。なんか妙なアイテムなんか渡しちゃってさぁ〜」

「あ…例のマップですね」

「でも、実際は止めることなんてできないんでしょう?」

「まぁな。社長の方が技術力が上だし」



こうして、フラグを回収したものの、まだ何処か余裕があった運営は、アクシデントに気を取られ、そのプレイヤーに関する重大なことに気付かないまま、またしても画面に張り付くのだった……




そして、更に数時間後

そんな能天気だった運営も遂に地獄に落とされることとなる


「大変です!【大罪】保有者が出てました!」

「「「「「はぁ!?」」」」」

「何が出た?」

「【憤怒】【怠惰】【嫉妬】です……そして怠惰はあの頭がイカれているプレイヤーです」


「その3つはまだ条件出回ってないよな!?」

「しかも3人ですか……」

「百歩譲って【怠惰】はわかる。いや、やっぱり分からねぇわ。何でチュートリアルで寝るんだよ。それに【憤怒】【嫉妬】はチュートリアルで取れるようなものじゃないだろ……」

「条件に怒りと妬みを含みますからね」



そう、幾ら戦闘下手でもチュートリアルのスライムにブチ切れる奴はいない

それを加味しても明らかにチュートリアルで取れていいものではないのだが……


「特に【憤怒】はPKや初心者が上級者に追い付くためのものとしての唯一の対抗手段として残しておいたのに……それを……」

「あれってそのためのスキルだったんですね」

「ユニークスキルみたいなものなのに」

「悪用されないわけがないような……」

「それが、正規の方法なんだろう」



実装した方にも、問題があったようだが、そんなことは彼らの頭の中にはない。

ただ、これから先のストーリーに異変が起こらないことを願うばかりであった


(あぁ……ストレスではげそう)


……数名の頭皮を犠牲にしながら





???


「傲慢は姫プするやつを懲らしめるためのものだったんたがなぁ……」


「そうなんですか?」


「おう、傲慢のデメリットって覚えているか?」


「えーと、好感度の激減とマイナス補正ですよね?それがどうかしたんですか?」


「あぁ、姫ぷは大抵、周りの取り巻き共に祭り上げられるものだ

しかし、現地人の好感度がある一定の数値に行くと間違いなく街に入れなくなる。要は出禁だな。」


はぁ……それと傲慢がどうつながるんです?


「まだわからないか?

つまり、傲慢を取ったからには街に入れなくなる。それは取り巻きにとっても深刻すぎる問題だろう?要するに、姫ぷが根本から崩れるのさ


姫ぷして、周りに祭り上げられていたやつは此れからは一人で世界旅する羽目になる。これはそういった罪なのさ」



「傲慢に振り回されて、既存の自分の居場所を失う……成る程、中々に鬼ですね」


「そのはずだったんだがなぁ……

まさかあーなるとは……」

ここにも、とあるプレイヤーによる犠牲者がいたようだ

ストックストック

そういえば、とあるプレイヤーって何処の誰だろう?

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