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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

赤黒い髪の侯爵令嬢は聖女として、恋する乙女として皇太子の役に立ちたい(旧タイトル:赤黒い髪が理由で家族から虐げられていた侯爵令嬢は、聖女として国に仕えることにした。)

人前で、笑顔を貼り付け十三年。
少しでも失敗を犯したら鞭で打たれ、最近は平手もおまけのようについている。
今はそんな鞭打ちのお時間。何回されても慣れないこの鞭打ちも、表面上美しい笑顔で耐えてみせる。

(何回やっても、慣れないわね……)

ルーリア・コキリ・セロライハラ。侯爵家の次女であるがメイドのような暮らしをしている。否、メイドより酷い暮らしをしている。
ワンピースに近い薄茶の埃まみれのドレス。埃を被った髪。その髪は血のように赤黒く、それが理由で家族に虐げられていると言っても良い。髪と同様、目も赤黒くて、まさに血塗れなのだ。瞳がルビーのようなんて、そんな綺麗なものではない。ルビーと呼ばれるものは透き通っていて、生き生きとした赤色の瞳のことを言うのだ。
ルーリアの瞳はそんな色ではない。
赤にはドス黒い黒色も混ざっていて、今にも死にそうな目をしている。髪も同じだ。埃を被って少しばかり見えないは見えないが、よく見れば直ぐに分かるということで。
そんなルーリアが鞭打ちの時間が過ぎて窓拭きをしている最中、母であるギュアカーラの聞いたことのないほどのご機嫌な声を聞き、ルーリアは怪訝そうに窓から門前を見る。すると、ギュアカーラの隣でメティーチェイアが上品なカーテシーを披露しているではないか。
その前には男性がいる。誰かしら。そう思ったのは少しの間。姉と母の自室があるこの廊下には、来ないのではないだろうか。
そう思い窓拭きを再開し鼻歌を歌っていた時、話し声が聞こえて横を振り返ると、あの三人がこちらへ来ているではないか。
ルーリアはバケツとタオルを置いて曲がり角まで逃げた。


男性と姉、母は姉の自室へ入り、それで良いのかと思いつつもルーリアは僅かに開いている扉の間から覗く。

 姉がその男性の正体を明かす。

「そうですわ、皇太子殿下」
「っ!」
(こ、皇太子殿下っ⁉︎)

 ロドレーム・ココノア・フィンシーカ皇太子。
 そんな彼がお暇しようと扉を開けると、そこには逃げ遅れたルーリアの姿が。
 彼は目を大きくさせて、固まる。
 ルーリアは笑顔になってカーテシーをした。

 自分を保ち、恐怖も何も悟られずに。
 だから、ロドレームが頬を薄ら染めていることも知らなかった。
一章 赤黒い髪の持ち主は聖女として
1話 あの方はどちら様?
2025/05/15 18:39
2話 母と姉とお客様と
2025/05/15 20:37
4話 またの名を人気者
2025/05/16 07:45
7話 皇帝の謁見の間にて
2025/05/18 08:32
9話 皇帝の頼み
2025/05/18 21:43
二章 聖女として、お役に立ちたいから
10話 聖女邸の皆様
2025/05/19 17:43
11話 聖女たちの会話
2025/05/21 16:01
14話 魔力の感じ方?
2025/05/25 20:54
16話 役目の朝
2025/05/28 18:33
21話 姉に感謝を
2025/06/04 07:43
23話 嵐の後は
2025/06/06 06:46
27話 書斎にて
2025/06/18 15:35
28話 お話
2025/06/21 08:56
29話 二度目の告白
2025/06/22 10:01
31話 通達が来た
2025/07/01 15:18
32話 訪問者である皇太子
2025/07/02 15:21
三章 デートという幸せ
39話 試着
2025/07/19 17:50
40話 抜け道の
2025/07/22 13:34
41話 お久しぶり
2025/07/23 19:46
四章 大地震の被害
50話 和解
2025/09/07 09:19
番外編 幸せな未来
契約精霊は見た
2025/11/23 10:12
とある娘の日常
2025/12/02 07:46
とある娘の日常
2025/12/11 17:25
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