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くさなぎときつねの思い出ごはん。  作者: ちはやれいめい
きつねの章《しょう》
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9/30

9 なぞの肉《にく》のこたえ

 長谷駅《はせえき》から電車《でんしゃ》に乗《の》って鎌倉駅(かまくらえき)へ。


 この近《ちか》くに図書館《としょかん》がある。


 ここは市内《しない》でもとくに歴史《れきし》がある図書館《としょかん》だ。


 ちょっとしらべものをするだけならスマホですませちゃうし、学校《がっこう》に図書室《としょしつ》がある。


 だから近《ちか》くにあるのに、ここに来《き》たことがなかった。


 なんだかドキドキするなぁ。


 クーラーがきいていて、汗《あせ》がすうっとひいていく。

 マップを見《み》ながら、本《ほん》をさがす。


「うーん。ふるい時代《じだい》の料理《りょうり》なら、たぶん、歴史《れきし》コーナーだよね。日本史《にほんし》かな」


 

 古文書(こもんじょ)・民俗資料(みんぞくしりょう)のコーナーをあてずっぽうでなんさつか引《ひ》き抜《ぬ》いて、開《ひら》く。


 さがしては抜《ぬ》き、開《ひら》いては戻《もど》しをくりかえしていく。



 たなの角《すみ》に背《せ》びょうしが日やけして、よめないくらい古《ふる》い本《ほん》があった。

 その本《ほん》の、あるページに目《め》が止《と》まった。



 ※鶏海老《とりえび》、鯛《たい》、蠣《かき》、赤蛙等《あかがえるとう》ノモノヲ入《いれ》能《よ》ク煮《に》後《のち》「カレー」ノ粉《こな》一匙《ひとさじ》ヲ入《いれ》煮《に》ル

 


 赤蛙《あかがえる》? カエル?


 スマホでけんさくにかける。


『カエル肉

 明治時代《めいじじだい》には日本《にほん》に食用《しょくよう》として伝来《でんらい》。食感《しょっかん》はトリ肉《にく》ににている。』




「もしかして、これがご先祖《せんぞ》さまがカレーに使《つか》った肉《にく》!?」


 まわりにいた人《ひと》がいっせいに私《わたし》を見《み》た。

 しずかなところだから、私《わたし》はとっても、とっても目立《めだ》っていた。


「す、スミマセン……」


 あわてて口《くち》をおさえて、本《ほん》をたなに戻《もど》す。


 冷《ひ》やあせでさむくなったよ。



 なんとなくバツがわるくて、音《おと》をたてないようにしのび足《あし》で図書館《としょかん》をあとにした。



 いそいで店《みせ》にもどって、父《とう》さんと母《かあ》さんに伝《つた》える。



「父《とう》さん、母《かあ》さん!! カエルかもしれない! 古《ふる》い本《ほん》にのってた! しらべたら、ゆにゅう食品《しょくひん》のお店《みせ》でカエル売《う》ってるって! 私《わたし》、買《か》ってくるよ!」


 もうすぐカレーを再現《さいげん》できる!


 宝《たから》ものをみつけたみたいで、ワクワクした。


※西洋料理指南《せいようりょうりしなん》 敬学堂主人(けいがくどうしゅじん)より、引用《いんよう》


西洋料理指南《せいようりょうりしなん》 は、じつざいする本《ほん》です。

カレーいがいにも、日本《にほん》になかった料理《りょうり》がのっています。


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