第四章 41話 闇夜に蠢く
従者が1人、天幕の外の焚き火を見ながら交代で見張り守をしていると、辺りで草を踏み締める音がした様に思えた。
念の為音がした森へ向かう。
野営地は、森の入り口でこの森を抜けると山越えの急勾配な峠道がある。
峠道にもいくつか開けた地点がありこれからの野営地はその開けた土地を目指す事になる。
森に入り確認する時の決まり事は、1.次に見張りをする従者を起こして、見張り守を交代してから森へ行く事、2.案内人に森に行く前と後に声掛けして、その結果を知らせる事。
従者はそれを怠った。
不用意に森へ向かう従者は森の闇に消えて、消された。
天幕の内の誰も気付いて無いのか?否。
2人は気付いて天幕の中で外を警戒した。
ハインツは、剣に右の義手をかけ左足を引いて腰を落として抜き出しの構えをした。
モモタウロスは、匂いを嗅いで囲まれた事を悟った。
10人程と読んだ。
忍び歩く音はしない。
近づいてこない。
焚き火が消えていくのをひたすら待つ構えの様だ。
静けさがただこの場を包む。
ピートとクランも起きた。
そして小雨雪が舞い出した。
消えた。光が消えた。
四方から狼が鳴いた。
奴らは飼い慣らしていた狼を天幕目掛けてけしかけた。
狼を4匹アッと言う間に張り倒して気絶させたモモタウロスは天幕の外へ出張ったらすぐに森へ踏み込み逃げようとする1人の後頭部を拳骨で殴った。
凹む感触がした。
兜が変形し吹き飛び逃げそびれたそいつは前のめりに倒れた。
結局この騒動で死人が2人。
くびり殺された従者に、案内人のピート。
モモタウロスが天幕を出て行った後で別の方から別の賊が乱入し、ピートが胸を刺されて死んだ。
取り逃した賊は、何も取らずに森の闇へ消えた。




