第四章 38話 三姉妹のママ
クールジャックは落ち込んでいた。
作戦上のトラブルで急遽作戦内容が変わって役目も変わったのだが、あの失態は無かった。
今ここに来ている自分達の命がかかっている筈の交渉で、生娘の様なヘマをした。
しかも最悪な終わらせ方だった。
次に繋ぐには?
全く頭に何も浮かばない。
タスキーから呼び出しが鳴った。
ナオミ長官からである。
「はい、クールジャックです。」と返答すると、小声で優しく「お姉ちゃんでいいよクロエ。
もうちょっと待ってママ。
あー、ママがね、そのぉ、、
今さっき本部事務所にチョコクッキー持って来たのよ!いきなり!
で、、あーもー分かったからママ!
ママと変わるからね。
じゃあ後よろしく。」
そして、今あの人の声を聞いたら泣きそうになると思っていた人。
そんな2人のママに音声が替わった。
「クロエ?元気なの?何か困っていないの貴方?」もうコレだけで泣き出しそうになった。
ママは、三姉妹にとても優しいママだった。
姉と自分とは、血は繋がっていなくても世界一のママだった。
何故自分達のママになってくれたかは分からないけど、あの人のどこが好きで結婚したか分からないけど、塞ぎ込んだ時や楽しい時にママがいつもそばにいてくれた。
そんなママが何故今ここに通信して来たのか?分からなかったが凄くほっと出来た。
「クロエ?大変な任務中に聞くのは申し訳ないけど、貴方と私の大切な息子になってくれた旦那さんと何かあったの?」
何も言えない。
それだけは、ママに言えない。
妹が夫にちょっかいを出して今揉めて大変だ。
なんて、口が裂けても言えなかった。
しかし、その3日後に芸能スキャダルのトップニュースとして、妹で人気モデルのアビィことアビゲイル・エリザ・スワンクが、近親者からのレイプ未遂を受けるの報が飛び交う事になり、結局は、ママにバレてしまった。




