第四章 37話 大王の死から
ペルシアの地にあるダレイオス大王の陵墓の横に、彼はヴェルギナの太陽の刻印が彫られた墓の下に眠る。
彼の遺言に従い家臣は、敬愛していたダレイオス大王の横に彼を埋葬した。
ペルシア帝国帝王、エジプト朝ファラオ、コリントス同盟盟主、アルゲアス家当主、マケドニア王国国王。
偉大なる征服者アレクサンドロス大王。
大王の遺言を歪め醜い争いに終始し東を目指すのを辞めた後継者達を出し抜いて、大王の遺言を守って見せたダフニウスは、少なくなってしまった手勢を引き連れ行く宛を思案した。
「ポエニの地に行かれては?」その様に進めた筆頭の工兵隊長が居た。
アムルメデスと言う良く働いてくれる男だ。
大王の墓を作った男でもあり、その仕事の手際や速さにいつも助けられた。
その推めに乗り、カルタゴを目指す途中の地中海上でエジプト戦船に拿捕された船。
アムルメデスは、船から海へ飛び込みシチリア島まで泳ぎ逃げ延びた。
その島で身を隠し、僭主が応募していた工務に着いて、そこで認められて弟子も持ち安住の地に定めようかと思いつつ彼は老いた。
その島をめぐり争いが始まり、押し出される様に争いに駆り出された。
ロムルス側についた僭主の元でポエニと戦ったが、その僭主が今度はポエニに寝返った。
ロムルス達に捕まりそうになったので、弟子達に別れも言えず逃げた。
執拗に追いかける追手を振り切り、山を越えて寒村に辿り着き手当を受けた。
その村は、貧しかったので仕事を考えた。
村の若い衆を集めて、工兵の知識を教えて近隣から工事を請け負ったり、山に詳しいので山越えをしたい者の荷物持ちなどさせた。
その中で商人には、嵩張る荷物や野盗に盗まれてはまずい金品を預かる商売も始めた。
そんな商売を面白がる商人に会った。
名はハシムと言う、ペルシア風の小綺麗な出立ちの商人。
彼は、よくシラクサに商売に行くと聞いて手紙を預けた。
弟子のアルキメデス宛の手紙。
その縁で、逸れてしまった主人の手紙を手に入れ、主人の子息にも会えた。
子息は、大王の血を継いでいる大王に瓜二つの青年だった、、、
アムルは、ハシムからもらった手紙を読み返して思い出に耽った。
先程旅に出たモモタウロス達の無事を祈りながら、主人との思い出やシラクサでの思い出に耽った。




