第四章 36話 登山前の注意
登山ルートの説明を再度地図を使い行った後でアムルは、注意事項を3つ語った。
1.亀裂転落や滑落による事故が起こった場合は、事故犠牲者の生存の有無に関わらず救助は出来ない事。
2.案内人には、天候不順と判断した場合や賊による妨害などにより案内人に被害が発生すると判断した場合は途中下山をする権利がある事。
3.案内人の指揮下にて登山下山停泊を行う事。
この注意事項は、毎回の説明なので特に気にも留めずに了承して実際に案内してくれる面々の紹介をアムルからしてもらった。
案内人は、4人で荷物輸送用にヤギやロバを24頭。
登山下山は、約15日の予定。
紹介をされた案内人達は、皆18歳〜12歳の若者達だが、今回の大規模キャラバンの案内人にふさわしい実力とハシムが事前に注文を付けていた条件にピタリと合致する面々だった。
18歳になる義手のハインツがリーダーとなりピート、クラン、ヨークと歳上の順から紹介された。
その中でもヨークは、若者と言うよりは寧ろ子供に見えた。
ハシムは、少し心配になり従者の1人に命じてその場で模擬戦を行わせた。
従者は、モモタウロスと並んでも見劣りしない体躯の持ち主で一方のヨークは、その従者の股位の位置が頭で肩幅を比べては数えて3倍程は従者が広い。
宴会をした広場へ行き、いざ開始された模擬戦はあっけなかった。
開始早々に従者が、木刀を上段から脳天めがけて振り下ろしたが、難なく懐に入り背負って地面に向かって投げて、木刀をコレ又難なく取り上げて馬乗りになって笑いながら従者の首元を、取り上げた木刀で引き掻いてみせた。
ハシムが注文した条件は問題無さそうだ。
「ハシムさんモモタウロス様、アムルメデスはこの旅の無事をお祈りします。
どうか無理はしませぬ様に。
それといつもの手紙。
シラクサのいつもの弟子宛なのでお願いします。」
キャラバン隊御一行は、村を出て初日に野営する峠入口の森を目指して進んだ。
厄介な部族が待ち構えている森へいざ。




