第四章 35話 身震い
クールジャックは先程まで猛獣と対峙していた。
檻越しに見る肉食獣より、ホラー映画より、デートで行った絶叫系のどのアトラクションより、怖かった。
息子の顔が頭に浮かび涙が頬を伝った。
「、、クールジャック?大丈夫かい?」とアーキは彼女を心配はした。
が、同時に「あのタイミングはまずかったのかもね。
あと、襲われる心配は無いんだから慌てちゃダメだよ。
それでアバター切ってしまっては、中々次の歌詞は唄えないよ?そんなんじゃ。
まず相手に呑まれちゃダメ。
あとは旅への同行をお願いしてだ〜、、、よし!次はここまで話をしようね。」ダメ出しと次回の目標を示した。
何も出来なかったクールジャックは、怖さで震えつつ悔しさも徐々に湧いてきた。
基が勝気な彼女である。
あの場を思い出し反省した。
「貴方がモモタウロス?」
恐る恐る声を優しくかけた。
「何だ?てめぇは?」
ぱっと勢い良く振り向くモモタウロスは当然全裸。
そしてまだ濡れた竿は、未だにはち切れそう、つい目がいってしまった。
「わっ私は、みらいよりきたーでありましてーえーたびにつれてけんかねーわたしさーやくだつしーいいかもですよ?」メチャクチャ棒読みで意味不明な言い回しにモモタウロスは、後ろを向いて土間に置いていた藁敷きをする為の鋤をクールジャック目掛けて投げた。
ひゃっ!とビビって変な声を上げて映像を切った。
それを思い返して今彼女は少し冷静になる。
自分の旦那以外の異性の全裸と凶暴な迫力に気圧され、テンパりまくった自分の姿を今鮮明に思い出した。
さっきより身震いが増した様に感じた。
恥ずかしさがプラスされて。




