第四章 31話 森の中の寒村
相変わらず娘の話す言葉が分からないモモタウロスは、娘に連れられて森の中の村に案内された。
この時のモモタウロスは、両親より体が小さいがこの当時の大人の男と変わらない体格ではあった。
しかし、少年特有のあどけなさもあったので何となくだが、背の高い少年に見えた。
娘が連れてきてくれたその村は、寒村で粗野に作られた茅葺きの丸太小屋が見渡して12軒点在する、とても小さな集落だった。
村人が居住する丸太小屋の外に各々が柵を設けて羊を各々3頭程を飼っていた。
暫くすると、毛糸編みの上着を着た村長らしい60歳くらいの老人が、娘に事情を聞いたのか村の入口門の前で待たされていたモモタウロスを迎えに来た。
村長は、モモタウロスに礼をとり終えると、手招きして村内に入る許可をモモタウロスに与えた。
そしてモモタウロスが村内に入ると村長は、夕方なので開門していた入口を見張り守りに命じて封をさせた。
そして娘と村長の手引きで、身の丈程の高さがある木の柵で囲われている村内を通され、村の奥にある村長の家に案内されたモモタウロス。
村長の家と言った所で、他と変わらない簡素な茅葺きの丸太小屋である。
小屋の中の居間の椅子に腰を下ろしたモモタウロスの前に立ち娘は、身振り手振りで傷が無いかを尋ねてきたが、しょっちゅう肋骨を折ったり狼と戯れて噛み傷や引っ掻き傷だらけだったモモタウロスは、こんなもの問題ないと言わんばかりに両手を上げて笑い返した。




