第四章 24話 それはね。
アーキとナオミとクールジャックが初めて顔を合わせたのは、AC9067年9月2日月曜日のコロンビア大学秋学期開始に合わせて行われる新入生歓迎パーティーでの事。
三人ともOBとOGの招待枠で参加した。
OB OG招待参加枠は、一定の寄付を毎年行なっている卒業生に限られていた。
この時三人とも政府関係者ではあったが、アーキの名声は既に高く卒業大学や政府の関係者及び各分野の科学者で彼を知らない人間なんていなかった。
新入生のノービス・ノブ・ノルドは場違いな黄色のセーターにラフな八分丈の黒いパンツを履いている。
イーストアイランド神話の研究をライフワークにしている新入生だ。
そんな新歓パーティーに初参加した彼の眼前に神と崇める人が、先輩達と談笑している。
「いい質問だね。
イーストアイランド神話に出てくる問題の一つだ。
ガンプルとドライブオンは同一の神か?
多数の先生方は同一の神だと捉えているみたいだ。
しかし、ボクは違う。
まず神話上のノビ家とザビ家だが対立どころか同じ話では無いと考えている。
同一論の証拠であがる古代の遊具や古文書は炭素年代測定法と言う極めて古い方法を根拠にしている。
当てにはなら無い。
この問題を難しくしている要因のひとつとして調査禁止年代に当たっていると言う事も大きい。
タイムトリップによる直接的な調査が出来なきゃね。
中々答えに至るまで難しい。
残された古文書や遺物で推測するしか無い。」感心して聞き入る学生達の円陣中央でイカした蝶ネクタイを決めて仮説を語る紳士。
アーキ・ミディス・ナカムラ名誉教授。
「ドライブオンも本当の発音はドラエメン若しくはドラエマンが近い。
ヘルプミードラエメン。
ジーザスクライストと同じ使い方をする一文だね。
ドライブオンの短縮形では無いとボクは見ている。
あーそれと、集まってくれた記念にハグコプターを再現してみたんだ。」と言うとアーキ教授は「ホットガイコプター!」と叫ぶ、アーキ教授の黒髪が頭から浮き上がりその後のオン!の叫びを合図に高速回転し出した。
神々しい瞬間。
近くの女性の1人が感動のあまり膝から崩れ落ちた。
アーキ教授を讃える輪の中でノービスは、これからも神話研究を続けようと心に誓った。




