第四章 22話 防寒具
近くのヤギ小屋からの騒ぎを聞いて、小屋に近づく村人達。
その中に、足元がおぼつかないハシムもいた。
猿顔のハシムは、いい調子に酒に酔っていた。
顔が赤いので普段よりもずっと猿顔なハシム。
ヤギ小屋の外の木に繋がれているヤギや羊達が、めーめーと鳴く、そんな騒然とした小屋の前。
そんな小屋から暫くすると、服を右脇に抱えて全裸のモモタウロスが出てきた。
あからさまに不機嫌なモモタウロスを見て、村人達は後退りした。
そんなモモタウロスにハシムは「あれ?旦那どーしらんてふくぁ?かじぇひききまふっゆー、、、」と言いながら気を失い、立ったままモモタウロスに倒れ込む。
と「ちっ!白けた」と吐き捨てて右脇に服と左肩にハシムを担いでアムル宅へ、帰宅したらそのまま寝床に向かい就寝した。
翌日の朝、山越えの支度をするモモタウロス。
流石にいつもの上半身は何も着ないで腰布のみの半裸では拙いので、登山用の底に鋲の付いた皮靴から、ヤギ皮のズボンから、熊の毛皮の上着に、熊の毛皮の帽子に、呼吸で喉や肺をやられないために顔に巻くウールのスカーフにと、アムルから譲ってもらった防寒具を着用した。
着なれない防寒具は動きにくいもので、とても不快だった。
地図を出して山越えのルート説明をしてくれるアムルの話が、全く頭に入ってこない。
昨日の件も頭に浮かんで、思い出し怒りが込み上げる。
「おはよう、、、」
掠れ切った弱い声のハシムが,寝床から起きた。
いつも背に担いでいる荷物袋から、薬を出して昨日の残りの蜂蜜酒を碗にそそいで薬と一緒に胃へと流し込む。
はだけてしまった着物を整えて、その上から慣れた感じで防寒具を着付けていくハシム。
と、何かに気付いてハシムはモモタウロスに「旦那もしかして、下着無しでソレ付けてませんか?ゴワゴワしませんか?」
初めての防寒具を勝手気ままに着ていたモモタウロス。
防寒具の正しい着方をここで学ぶ。




