第四章 9話 出自
ハシムの奇抜な提案を聴き終えたアムルは、ハシムにこう質問した。
「ありがたいがなぁハシムさん。
いきなり過ぎてなぁ。。
それに私は、この方のことをよく知らん。
それにそんなことして何の利がこの人に?
そこから先ず知りたいんだが。」
アムルの質問を聞いて直ぐ
「利ならあるさ。旦那は、オリエント超えをするんだそうだ」
ハシムは、ニヤニヤしながら答えるが、アムルは怪訝そうな目で睨みつつ深くため息をついた後、こう答えた。
「突飛な事を言い出すものだな?ポエニ育ちのペリシテ人が使う冗談か?笑えぬし、訳がわからん」
と返されるが、ハシムは動じる事なく話しを続けて。
「まぁわたしがカルタゴ産なのは、そーなんだが、海の民なのかは昔過ぎて知らん。
あーあと、これ読んで。
アムルさん、あんたのご主人からの手紙だ。」
と、懐から羊皮の巻物手紙をアムルに渡して読む様に促した。
仕様が無いなと、アムルは渡された手紙の封を取り読み進め出した。
すると、みるみる顔から先ほどまでの眉間の皺がとれ、今度は、懐かしそうな表情やモモタウロスを見て何故?何故?とブツブツと呟きながら一通り読み終えると、静かにそしてゆっくりと語り出した。
「モモタウロス様、先程は御無礼いたしました。
しかしなのですが、お父上は、そのぉ。。かなりのご高齢だと思うのですが。」
察したモモタウロスは、一回深く頷き「コレ食って若返って元気にやってるぜ!」と腰に付けた下げ袋から、桃肉入りの特性きび団子を1個出して、例の桃肉を食って両親が若返った経緯と、自分の今までの生い立ちや自分の年齢をアムルに明かした。
「えっ?70?旦那そんなにいってたの?嘘でしょ?」
椅子から転げ落ちそうになるハシムを尻目に、アムルは静かに話を再開した。
「まさかあのテヅカ族の伝承にあるフェニックスが本当にいたとは、獲れたての焼き鳥の話しとかクレオラ様と駆け落ちされたとか元気なのですね、ダフニウス将軍は。
若輩でお使えして、戦の最中に分かれて、落ち延びたシラクサからも今だに続く鍔迫り合いに押し出されて、こんな山奥にて隠遁してますが、こちらアムルメデスも齢90ですが元気です。と、お伝えください。
ハシムさんありがとう。
引き受けさせていただきます。」
八方無事に契約締結からの、今夜は娘達の舞とありったけの食事と酒盛り。
それはもう村あげてのパーティナイトのはじまりはじまり。




