また宣言するつもりはなかった
豪志のお使いが成功してから、二日後。
本家の門前には、いつもより人間が多かった。
国枝。
ロー。
澄玲。
迷宮庁から来た調整官が二人。
都市防衛局の連絡担当が一人。
それから、避難希望者の代表が三人。
その少し後ろに、なぜか豪志もいた。
背筋を伸ばし、真面目な顔をしている。
ザガが見た。
「お前は何でそこにいる」
豪志は胸を張った。
「親分さんのお使いを成功させた者として、会談にも立ち会うべきかと!」
ナナが短く言った。
「邪魔」
ベロも鍋の前から言った。
「邪魔だな」
豪志は少し慌てた。
「そんな! でも、一人前では?」
「静かにしてろ」
「はい!」
全然、静かではなかった。
そこに本家側。
そして、牧人。
牧人は、畑の端で腕を組んでいた。
目の前には、会談用にイシコが作った長い石卓がある。
石卓は立派だった。
立派すぎた。
迷宮庁の調整官が、石卓を見て小さく言った。
「これは……会議設備ですか」
牧人は首をかしげた。
「机です」
イシコが短く言った。
「頑丈」
ザガが言った。
「頑丈すぎる」
ヒナが梁の上で笑った。
「やだ、机から威圧感!」
ベロは鍋の前から言った。
「熱々の鍋を置いても割れない」
国枝が苦笑した。
「普通、会議机は鍋のための耐久性で評価しません」
牧人は真面目に言った。
「鍋を置けない机は困るだろ」
澄玲は手帳を開いたまま、少しだけ目を伏せた。
記録しない方がいい言葉だった。
---
今回の会談は、澄玲が調整した。
市属ダンジョン監察局。
迷宮庁。
都市防衛局。
避難民側。
国枝経由の物資側。
冥門組本家が、勝手に大きくなりすぎた。
人間が来る。
魔物が来る。
小型種が寝る。
物資が入る。
通行板が出る。
灰粉を落とす。
右奥に寝床ができる。
外から見れば、すでに施設だった。
牧人本人は、家のつもりだった。
そのズレを、どう扱うか。
それが今日の話だった。
迷宮庁の調整官、瀬尾カレンは、石卓の向こうで書類を並べた。
「本日は、冥門組本家周辺における一時避難者、保護対象、通行者、および封環層入口付近の管理について、確認させていただきます」
牧人は頷いた。
「うん」
ザガが小声で言った。
「親分、分かってんのか」
「だいたい」
「だいたいで頷くな」
ヒナが梁の上で言った。
「やだ、会談開始三秒で不安!」
カレンは続けた。
「まず確認です。ここは、都市側の正式避難施設ではありません」
「そうですね」
澄玲が答えた。
「市属ダンジョン監察局としても、現段階では正式施設ではなく、監察対象区域内の実質的な一時滞在地として扱っています」
牧人は澄玲を見た。
「何て?」
ヒナが笑いそうになった。
澄玲は言い直した。
「家に、人が集まっています」
牧人は頷いた。
「それは分かる」
ザガが低く言った。
「最初からそれで言え」
澄玲は少しだけ眉を寄せた。
「それで済まないから困っています」
ローは記録石を卓の端に置いていた。
赤い記録光は、まだ点いていない。
澄玲が先に言った。
「会談の記録は、監察局側で取ります。三船さんの記録石は、公開用ではなく、補助記録として扱います」
ローは手を上げた。
「配信は?」
「不可です」
「編集後は?」
「関係機関の確認後です」
「タイトルは?」
「今は考えないでください」
ローは少しだけ残念そうな顔をした。
国枝が低く言った。
「三船さん、もう配信用の顔になっていますよ」
「そうか、まだ撮ってないのに」
澄玲は記録石を見た。
「補助記録を取る場合は、私が合図します」
ローは記録石から手を離した。
「了解です。今日は、指示に従います」
ザガが言った。
「いつも勝手に撮ってるくせに」
---
都市防衛局の連絡担当が口を開いた。
水越の部下だった。
若いが、声は硬い。
「都市防衛局としては、冥門組本家が避難民を受け入れている状況を、放置できません」
クロの右が少しだけ目を開けた。
連絡担当の声が一瞬揺れた。
それでも続ける。
「避難民の移動、滞在、保護の判断は、都市側の制度に従うべきです」
「本家側が独自に保護対象を抱え込むと、所在確認が困難になります」
牧人は少し黙った。
「所在確認は、した方がいいな」
澄玲が頷く。
「はい。そこは必要です」
まめじいが帳面を開いた。
「本家側も、台帳はつけておりますぞ」
カレンが顔を上げた。
「見せていただけますか」
まめじいは頷き、ニコへ合図した。
ニコが板を持ってくる。
人
魔物
小さいの
寝てるの
飯だけ
豪志が端から手を上げた。
「俺はどれですか!」
全員が豪志を見た。
ニコは少し考えた。
それから、板の下に一行足した。
うるさいの
豪志は膝から崩れそうになった。
「分類された!」
ヒナが梁の上で腹を抱えた。
「豪志専用欄!」
カレンは、真面目に筆を止めた。
「それは……分類として必要ですか」
ザガが即答した。
「必要ない」
ナナは短く言った。
「でも、分かる」
ベロも言った。
「分かるな」
豪志は胸を押さえた。
「分かるで通さないでください!」
カレンが黙った。
澄玲も黙った。
国枝は眉間を押さえた。
ローは記録石に手を伸ばしかけた。
「撮っていいですか?」
ザガが言った。
「撮るな」
ローは素直に手を引っ込めた。
カレンは慎重に言った。
「分類が、少し独特ですね」
ニコは頷いた。
「分かりやすい」
澄玲が小さく言った。
「分かりやすくはあります」
国枝が言った。
「公文書にはできませんが」
牧人は板を見た。
「飯だけって何だ」
ニコが答えた。
「飯だけ食べて帰る」
ベロが鍋の前で言った。
「います」
牧人は納得した。
「いるな」
カレンは額に手を当てた。
「そこは、通行者または短期滞在者で」
ニコは板を裏返した。
短くいる人
カレンは少しだけ目を閉じた。
「近づきました」
ヒナが梁の上で笑った。
「やだ、迷宮庁がニコの板を添削してる!」
---
会談は、少しずつ進んだ。
右奥の寝床は、勝手に立ち入らない。
子どもや弱った者は、ネムとヒナが見る。
怪我人は、ぷるが汚れを取り、ミズハが水で冷やし、ネムが治癒胞子で見る。
武器は門前で預ける。
飯の列では揉めない。
クロに勝手に触らない。
イトを見上げ続けない。
ぷるを踏まない。
カレンは書類に書き込んでいた。
「最後の三つは、本当に必要ですか」
ザガが答えた。
「必要だ」
ナナも言った。
「必要」
ヒナが笑った。
「ぷるは踏んだら大変だよ」
ぷるが、足元でぷるんと揺れた。
カレンは真面目に書いた。
ぷるを踏まない。
澄玲がそれを見て言った。
「公的な確認事項に入れるのですか」
カレンは無表情だった。
「現場ルールとして必要なら、入れます」
ローが小声で言った。
「迷宮庁、強いな」
国枝が低く返した。
「強いというより、慣れ始めています」
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問題になったのは、奥だった。
封環層へ続く入口。
旧帳場。
仮記録。
親父という呼称。
都市側の連絡担当が、そこに触れた。
「封環層入口に関しては、都市防衛局としても把握が必要です」
「本家側が独占的に管理している状態は、望ましくありません」
クロの中央が、ゆっくり目を開けた。
空気が重くなる。
ザガも腕を組み直した。
カレンは連絡担当を見た。
「言葉は慎重に」
連絡担当は息を呑み、それでも続けた。
「独占という言い方が不適切なら、実効管理です」
「本家の奥に都市側の人員が入れない以上、何が起きているか確認できません」
牧人は、そこで初めて少し顔をしかめた。
「奥に入るのか」
澄玲が牧人を見た。
牧人の声は、怒っているというより、本当に困っている声だった。
「奥には、寝てるやつもいる」
「怪我してるやつもいる」
「怖がってる子もいる」
「勝手に入られたら、困るだろ」
ネムが右奥から顔を出した。
「奥、こわがる」
ナナが短く言った。
「入れない」
イシコも言った。
「壁、出す」
カレンはすぐに書類へ目を落とした。
「右奥への無断立ち入りは不可。立ち入り時は本家側立ち会い、監察局確認」
澄玲が頷いた。
「それでよいと思います」
都市防衛局の連絡担当は、口を開きかけた。
だが、クロの右が見ていた。
開きかけた口は、閉じた。
ローは記録石へ手を伸ばしかけた。
ザガが睨んだ。
ローは手を戻した。
「今のは、撮ってません」
「撮ろうとはしたな」
「反射です」
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次に問題になったのは、連れ出しだった。
避難民代表の一人が、落ち着かない様子で言った。
「都市側の家族が探している場合は、どうなるんですか」
「ここに来た人を、外へ戻すことは」
澄玲が答えた。
「本人の意思確認が必要です」
「未成年や判断が難しい状態の場合は、監察局が確認します」
都市防衛局の連絡担当が言った。
「ただし、身元引受人が確認できれば、都市側へ戻すのが原則です」
ネムが右奥から、また顔を出した。
「泣くなら、だめ」
連絡担当が止まった。
「泣くなら、とは」
ネムは眠そうな目で言った。
「連れてく時、泣く」
「それ、だめ」
ヒナが少しだけ真面目な顔になった。
「昨日もいたんだよ。迎えに来たって言って、子どもが固まった相手」
澄玲の目が細くなる。
「確認します」
牧人はゆっくり息を吐いた。
「家族なら会わせる」
「でも、嫌がってるやつを勝手に連れていくのは困る」
まめじいの筆が止まった。
澄玲の手帳も止まった。
カレンの書類も止まった。
ローの目が光った。
牧人は続けた。
「ここに来たやつを、勝手に連れていかないでくれ」
場が、静かになった。
牧人は首をかしげた。
「何だ」
ザガが低く言った。
「親分。今の、重いぞ」
「そうか?」
国枝が苦笑した。
「ええ。かなり」
牧人は困った顔をした。
「お願いだぞ」
まめじいが筆を動かした。
「保護対象の無断移送禁止」
牧人はまめじいを見た。
「そこまで言ってない」
澄玲が静かに書く。
「中立地帯内の保護対象移送には、本人意思確認と監察局確認を要する」
牧人は澄玲を見た。
「そこまで言ってない」
カレンも書いた。
「封環層入口周辺区域における保護者側同意なき移送制限」
牧人はカレンを見た。
「そこまで言ってない」
ローは、記録石ではなく自分の手帳に何かを書いていた。
ザガが睨んだ。
「何を書いてる」
ローは言った。
「出せないタイトルです」
「やめろ」
「【速報】親父、都市圏に保護宣言」
牧人は頭を抱えた。
「だから、宣言してない」
ヒナが梁の上で笑い始めた。
「やだ、また宣言してない宣言!」
ニコが板を出した。
勝手に連れていかない
ナナが頷いた。
「分かりやすい」
カレンはそれを見て、少しだけ悔しそうに言った。
「……分かりやすいですね」
---
牧人は終わらせたつもりだった。
だが、もう一つあった。
旧帳場の方から、細い灰色の線が伸びていた。
イシコが気づく。
イトが気づく。
クロが気づく。
牧人も、遅れて気づいた。
「あー、あと」
全員が牧人を見た。
ザガが顔をしかめた。
「親分、今の流れで“あと”はやめろ」
牧人は、旧帳場の方を指した。
「奥の、あれだ」
カレンが確認する。
「封環層入口と、旧帳場のことですか」
「たぶん、それだ」
牧人は少し困った顔をした。
「正直、俺にもよく分からん」
「でも、あそこを勝手に触られると困る」
都市防衛局の連絡担当が口を開きかける。
牧人は先に続けた。
「あの奥には、寝てるやつもいる」
「怪我してるやつもいる」
「怖がって、やっと静かになった子もいる」
ネムが右奥から顔を出した。
「奥、こわがる」
牧人は頷いた。
「だから、調査するなら言ってくれ」
「勝手に入って、壁を剥がしたり、帳場を壊したり、寝床をひっくり返したりしないでくれ」
少し間を置いて、言った。
「家の奥を、勝手に荒らすな」
今度は、誰もすぐには言わなかった。
まめじいだけが、静かに筆を持ち直した。
「本家奥部および封環層入口の無断調査禁止」
牧人はまめじいを見た。
「また重くしてる」
澄玲が手帳に書いた。
「封環層入口付近の立ち入り管理権を、本家側が主張」
牧人は澄玲を見た。
「主張って何だ」
カレンは書類を一枚増やした。
「迷宮庁確認事項。封環層入口の一時管理者として、冥門組本家を仮置き」
牧人はカレンを見た。
「仮置きって何だ」
都市防衛局の連絡担当は顔を引きつらせていた。
「これは、都市防衛局としては、冥門組本家による実効支配の宣言と受け取られかねません」
牧人は頭を抱えた。
「受け取るな」
ローは手帳にさらに書いた。
ザガが言った。
「今度は何だ」
ローは言った。
「【続報】親父、家の奥に管理権を主張」
牧人は言った。
「やめろ」
ヒナはもう笑いすぎて梁を叩いていた。
「やだ、親父のお願いが全部ニュースになる!」
ニコは板をもう一枚出した。
奥、勝手に荒らすな
ぷるが、ぷるんと揺れた。
ネムが右奥から頷いた。
「それ、大事」
ナナも頷いた。
「大事」
イシコは短く言った。
「荒らしたら、壁」
都市防衛局の連絡担当が、青い顔で澄玲を見た。
澄玲は静かに言った。
「その発言は、脅迫ではなく、構造防衛の説明だと思います」
国枝が小さく言った。
「だいぶ苦しいですね」
「分かっています」
---
会談は、そこからさらに混乱した。
まめじいは、牧人の言葉を実務に直した。
「つまり、親父殿は、本家内に入った者への無断連行を認めず、奥部への無断立ち入りと破壊的調査を禁じる、と」
牧人は言った。
「俺は、勝手に連れていくな、荒らすなって言っただけだ」
澄玲は、それを監察局の言葉に直した。
「本人意思確認なき移送禁止」
「右奥および封環層入口付近への無断立ち入り制限」
「保護対象の安全確保を優先」
牧人は言った。
「言い方が硬い」
カレンは、それを迷宮庁の言葉に直した。
「冥門組本家周辺を、封環層入口付近の暫定管理区域として扱う案が必要ですね」
「ただし、国家管理ではなく、現地実態に基づく仮運用」
牧人は言った。
「硬すぎて、意味が分からん」
都市防衛局の連絡担当は、それを危険情報に直した。
「本家側は、保護対象と奥部構造物に対する外部干渉を拒否」
「実効支配の意思あり」
牧人は言った。
「悪く書くな」
ローは、それを出せないタイトルに直した。
「【速報】親父、都市圏に保護宣言」
「【続報】親父、奥に触るなと警告」
「【解説】冥門組本家は中立地帯なのか」
牧人は言った。
「出すな」
ヒナが笑いながら言った。
「同じ一言が、五人の机で別の文書になってる!」
イトが梁の上から短く言った。
「言葉、増えた」
ザガは低く言った。
「増やしたのは周りだ」
牧人は疲れた顔で頷いた。
「そうだろ」
まめじいは満足げに帳面を閉じた。
「親父殿、本日の方針は明確になりましたな」
「なってない」
「なりました」
ニコが板を二枚並べた。
勝手に連れていかない
奥、勝手に荒らすな
牧人は板を見た。
「それでいい」
全員が、その二枚を見た。
カレンが小さく言った。
「結局、それが一番分かりやすいのが困りますね」
澄玲も頷いた。
「はい」
国枝は苦笑した。
「制度は、後から追いかけるしかありませんね」
ローは手帳を閉じた。
「出せないタイトルだけで、もう三本あります」
ザガが言った。
「捨てろ」
「惜しいです」
澄玲が言った。
「捨ててください」
「はい」
豪志が端から身を乗り出した。
「つまり、親分さんの一言は、世に響くということですね!」
ザガが言った。
「黙れ」
「でも、これは任侠的に言えば、親分の仁義が」
「黙れって言ってんだろ」
豪志は止まらなかった。
「親分さんが“勝手に連れていくな”と言えば、それはもう、弱き者を守る」
ナナが短く言った。
「黙る」
豪志は口を押さえた。
ヒナが梁の上で笑った。
「やだ、豪志の中で映画が始まってる!」
牧人は疲れた顔で言った。
「映画にするな」
豪志は口を押さえたまま、こくこく頷いた。
だが、ニコはもう一枚板を出していた。
豪志、話を大きくしない
豪志は板を見た。
「俺にも注意書きが!」
ザガが低く言った。
「お前は毎回いる」
ベロが鍋の前で言った。
「本家の現場ルールに入れてもいいくらいだ」
豪志は真顔になった。
「それは、少し嬉しいです」
「嬉しがるな」
ザガが即答した。
---
会談が終わった後、牧人は縁側に座った。
疲れていた。
ものすごく疲れていた。
畑を耕した時より疲れていた。
クロが隣に伏せる。
右が低く言った。
「宣言したな」
「してない」
中央が言った。
「守ると言った」
「勝手に連れていくなって言っただけだ」
左は黙っていた。
ヒナが梁の上から笑った。
「でも、親父が言うと、そうなるんだよ」
牧人は頭を抱えた。
「どうしてだ」
まめじいが帳面を抱えて近づいた。
「親父殿の言葉が、すでに本家の方針であるからですな」
「俺はお願いしただけだ」
「親父殿のお願いは、本家では方針になります」
「困る」
「外では宣言になります」
「もっと困る」
ニコが板を持ってきた。
親父、お願いすると宣言になる
牧人は板を見た。
「それは出すな」
ニコは少し考えた。
板を裏返した。
親父、気をつけてお願いする
ザガが笑いをこらえた。
ベロが鍋の前で肩を震わせた。
ヒナは梁を叩いて笑った。
「やだ、お願いに注意書きがついた!」
牧人は板を見て、深く息を吐いた。
「畑に行く」
全員が同時に言った。
「一人で行くな」
牧人は空を見た。
「畑まで宣言になるのか」
ヒナが笑った。
「なるかも」
まめじいが真面目に言った。
「親父殿が畑へ向かわれる場合、食料自給強化の意思表示と受け取られる可能性はございます」
牧人は立ち止まった。
「……もう、何もできないだろ」
ミズハが水桶の横で笑った。
「できるわよ」
「ただ、全部大きくなるだけ」
牧人はますます困った顔をした。




