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アイテムが欲しい、ただそれだけ  作者: 秋海棠


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33.遠征開始した



「っは!?」


 スマホの時計を見ると10分ほど気を失っていたようだ。

 また記憶をなくしていなくてよかった。


 しかし、スマホのロック画面を解除すると、銀行アプリのログイン画面が出ている。

 さっき残高確認をして気絶をしたのに、懲りずに深呼吸をしてもう一度ログインしてみる。

 今度は記載されている金額を知っているから、気絶することはなかった。

 

 今のメインバンクには、元々の貯金、IDCからのダンジョン攻略の報酬金、オークション手数料を引いたミスリル落札額、合わせて大体六億ちょいの口座残高がある。

 一つの口座にだけ置いておくには怖い金額だから、もう一つ持っている口座にもいくらか移動しよう。

 あと、もう一つぐらい違う銀行で口座を作っておくのも良いかもしれない、リスクは分散させよう。

 まあ、まだ落札額に対しての税金は払わなきゃいけないから、ここからどのくらい減るかはわからないけどね。

 来年まではあまり使わずに取っておかなければ、いざ税金支払いで足りないとか怖いわ。

 それでも結構な額が残ると思う。

 やはり、移動用の車だけでも買おうか?

 いや、レベルを上げて山口県の「トゥクトゥク車」を狙うべきだな。

 むしろ、母たちが旅行に行く前の二ヶ月近くは山口県に篭ろう!

 そうだ、そうしよう!



 翌日、母の日と父の日を合わせて両親に日本一周旅行をあげたら、母が泣いて喜んでくれた。

 父も少し涙ぐんでいたような気がしたが、ちょっと突っ込んでみたら怒られたので見ていない事にした。

 弟のあげたロボット型掃除機にも、掃除が楽になるわと喜んでいた。

 そして、何かを察していた母は今日はすき焼きよと、いいお肉を買ってきてくれていた。

 

 両親に贈った日本一周旅行の予定は7月後半。

 あげた時すぐ父と母は話して「もちろん予定は空けるわ!」と行く気満々であったから、じゃあそれまで二ヶ月くらい山口県に行ってくるわと言えば、少し寂しそうな顔をしていた。

 あまり帰ってはいなかったが、やはり子供が帰ってくるのは嬉しいものだろうか?

 騒がしいだけで迷惑かけてるんじゃないかと思っていたけど、そうでもないのかもしれない。


 

 贅沢な夕食を終え、「テント」に戻り、いざステータス確認の儀だ。


【名前】       佐藤 月姫

【クラス】      槍術士 Lv.45

【HP】        3,787/3,787

【MP】        1,515/1,515

【武器】       白金の槍

【スキル】      一閃突き・薙ぎ払う・五月雨

【エクストラスキル】 アイテムボックス(上)

【EXP】        627,944/ 3,577,728

【残存EXP】     12,580,877

【残存ライフ】    3


 すごい!

 レベルが二つも上がっている。

 オークション後から休息日も挟みつつ、20日くらいはダンジョン挑戦をしていたし、一日150体〜190体を無心で倒していた成果だ。

 よく飽きずに頑張れたなと思うが、これも「テント」があってこそだ。

 侵入者も許さないからゆっくり休息が取れる、安心安全の「テント」だ。

 もし簡易テントだけしかなかったら無理だった。

 それにアイテムボックスがなければ食料も持っていけないから、ダンジョンに篭るということができない。

 ダンジョンを移動する際に買い出しをしておけば、軽く二週間は篭れる。

 まあ、息が詰まる時もあるし、ポータブル電源の充電もお願いしたり、洗濯に行くので、一週間に一度は実家に戻っていた。

 もちろん、毎月生活費は払っている。


 でも、一つ発見だったのは、フィールド型ダンジョンの外ではソーラーパネルでの充電が可能だったということだ。

 ダンジョン内なのに太陽?らしきものが出ていて、まさかなと思って試してみたら充電できている事に驚いたものだ。

 流石にセーフティエリア外でモンスターと戦っている時に出していたわけではない。

 フィールド型のセーフティエリアのドームは太陽?も通すので、セーフティエリアにいるときに試した。

 なので、洞窟型のダンジョンでなければ意外となんとかなった。

 森のフィールドの時は難しかったが。


 しかし、20日間頑張っても、中級ダンジョンボスに挑む基準レベル50にはまだまだ到達できない。

 なんかいけそうな気がするんだけど、ダメかな……挑んでみようかな?

 でも、基準を設けているくらいなんだから、きっと今までに私と同じように考えて挑んで負けてるパターンは数えきれないほどあるんじゃないだろうか。

 レベルが二つ上がっただけでまた気が大きくなってたかも。

 やっぱりまだやめておくか。安全第一。




♢ ♢ ♢


 やってきました山口県下松市。

 アイテム「トゥクトゥク車」が獲得できる下松中級ダンジョンがある都市だ。

 

 山口県はまだ攻略されていない中級ダンジョンがいくつかあると聞いたことがある。

 あと、ダンジョンマップで休眠中のダンジョンも。

 休眠明けのダンジョンは稀にアイテムが変わる場合があるとも聞いた。

 ただ、初級ダンジョンは出現している数も多いので、結構アイテムがかぶっていたりする。

 特に「鑑定鏡」は必ず各県で手に入るアイテムだ。

 次に「シューズ」「ボトムス」「トップス」「アウター」なる、装備に役立ちそうなアイテムは多く被る。

 実家にいるときはレベル上げに囚われていて、初級ダンジョンのアイテムのことをすっかり忘れていた。

 

 山口県ではいくつか初級ダンジョンの攻略もしていこう。

 ついでに二つ持っている銀も売却したい。

 

 なので、まずは下松第四初級ダンジョンにやってきた。

 ここで手に入るアイテムは「ゴミ箱(小)」である。

 詳しいアイテム内容は手に入れてから調べてみよう。


 早速着替えて手続きをし、ダンジョンへ入場。

 ここまで誰にも注目されることはなかった。

 着ている装備も違うし、一番大きいのは髪型だろう。

 髪色も違うから”無姫”と紐づけるものは長槍ぐらいであろうが、使っている人はたくさんいる。

 千葉のダンジョンでもこの格好にしてから誰からの視線も感じないようになったと思う。

 そもそも、見られていると思っていること自体が自意識過剰だったと前に思ったではないか。


 なので、なんの憂いもなくダンジョンに入り、すぐさまセーフティエリアへ。

 初級だからこのダンジョンにも人は沢山いて、ボス戦への待機者も多くいた。

 前の待機者25人。

 今日は平日だから土日よりは待機者は少ないが、意外と多いなと思いながら戦闘まで休もうと「テント」を出す。

 初級ダンジョンの一階層だから【レンタル屋】すら出ていない。

 チェックの必要がなくて助かる。


 「テント」の中でこのダンジョンのボス情報を改めて確認。

 ボスモンスターはヤギ型のモンスター。

 俊敏さに加え、大きくて鋭利な角を振り回して攻撃してくる初心者には少し厄介なモンスターらしい。

 ただ、弱点は眉間の辺りだと記載されていて、そこさえとらえられれば容易に倒せる。

 落ち着いて対処すれば問題ないだろう。

 よし、あとは順番が来るまでゆっくりしていよう。


 ダンジョンボス挑戦ボタンを押してからかれこれ2時間半。

 待機者が二人になったので「テント」から出て、準備運動を開始する。

 初級ダンジョンのボスはすぐ出てくるから、今のうちに準備運動はしっかり終わらせておく。


 しばらくして『最下層へ転送シマス』と前に聞いた音声がなり、私は落下を開始した。


【下松第四初級ダンジョン最下層へヨウコソ】

【ボスモンスターガ出現シマス】

【戦闘態勢ヲ整エテクダサイ】


 前回よりも早く着地と共に音声がなり、中央でモンスターの鳴き声が響いた。

 「メェー」って鳴き声にはちょっと気が抜けてしまったけど、気合を入れ直して突進してくるヤギ型モンスターをかわす。

 躱し様に眉間あたりを小突くとヨタヨタし出したので、胸あたりを一閃付きで攻撃したらあっさりと倒せてしまった。

 これも情報のおかげだ、ありがとうございますダンジョンアプリ。


【最下層ボス・ホーンゴートヲ撃破シマシタ】

【下松第四初級ダンジョン初回クリア報酬、銀トゴミ箱(小)ヲ獲得シマシタ】

【下松第四初級ダンジョン通常クリア報酬、解毒ポーション(初)ヲ五本獲得シマシタ】


 お、忘れてたけど、今回のダンジョンでは解毒ポーションが手に入った。

 初級だけど、三本しかなかったので地味に嬉しい。


 待ち時間以外はほぼ攻略に時間はかかっていない。

 アイテムが気になるので早速帰るとしよう。


 出口へ転送され、ダンジョン退場手続き後、獲得した銀と宝箱を提出する。

 初級攻略の宝箱は、一番初めに初級ダンジョンを攻略した時に提出しているので、報奨金はもうもらえない。

 だけど、宝箱だけでも結構立派な作りをしているので買取してくれる。

 二個の宝箱と三個の銀も一緒に買取へ出したら、とてもいい値段になった。

 事前に調べておいたアイテム「ゴミ箱(小)」に必要な魔石も購入済みだ。


 

 すでに予約していたキャンプ場へ急ぎ、手続き後「テント」を展開し、中へ入る。

 それでは待ちに待ったアイテムの鑑定といきましょう。


【ゴミ箱(小)】

【内容物消去、生物消去不可(微生物可)】

【必要魔石:光・闇 各(小)1点】


 うん、情報が意外と少ない。

 でもこれ以上にすでに使用している人の情報があるから大丈夫。


 このアイテム「ゴミ箱(小)」は直径30センチの丸い蓋つきゴミ箱だ。

 高さも大体30センチくらい。

 蓋の部分にボタンがあり、そこで使用者登録をする。

 この箱の中に入るものであればなんであれ、消去してくれるらしい。

 可燃・不燃問わず無くなる。

 どこにいったかとかは不明。『神の声』のみぞ知るだ。

 ただし、説明にも書いてあるように微生物以外の生物は不可。

 そして、ありがたいことにちゃんと消去ボタンがある。

 間違えて入れてしまってもすぐ消去されるわけでなく、必要な時にボタンを押せば入っているものが消える仕組み。

 生ゴミとか出ても、臭わずすぐ処理できるのはとてもありがたい!

 環境汚染もすることないからなんて素晴らしいアイテムなんだ!

 ただ、口が小さいので大きなものは消去出来ないのでそれだけが残念だ。

 粗大ゴミとかアイテムボックスに沢山あるのになぁ……

 そうなると、きっとあるだろう「ゴミ箱(中)」が欲しくなってしまう物欲の塊である。



お読みくださりありがとうございます!

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