28.苦戦した
また短めで、申し訳ありません。
ダンジョン内ショップに出会えたのに何も購入できなかった。
初級ポーションや他のポーション(上級以外)は正直IDCでお金で購入できる。
経験値を消費せず購入できるものをわざわざ今、ダンジョン内ショップで購入しようとも思えず、かと言って欲しいアイテムの引き換え経験値は高過ぎて。泣く泣く諦めた。
ポーション類を切らしてしまった人にはちょうど嬉しいかもしれないが、でもアイテム類はやはり自分でダンジョンを攻略して手に入れろって事なのだろうか?
うん、ちょっとやる気出て来た。
しかし、そんなダンジョン内ショップの行列は今もなお長くなるばかりだ。
他の階層には出ていないのだろうか?
一応、IDC担当の森田さんにダンジョン内ショップに遭遇したことを写真付きで報告しておいた。
関係ないかもしれないが、通常よりもモンスターとの遭遇率が高かったことも添えて。
森田さんから『ご報告ありがとうございます』と少し淡白な返信を頂いてからセーフティエリアを出た。
セーフティエリアを出てから暫くして思い出したが、【レンタル屋】の申請確認を忘れてしまった。
今更混雑している場所に戻るのも面倒だから、後で森田さんに謝罪しておこう。
確か絶対の義務ではなかったはず……多分。
二階層は頭が狼っぽい人型のモンスターが出てきた。
二足歩行で身長は成人女性の平均身長ほどだろうか。
棍棒を持って振り回し襲いかかってくるのはゴブリンなどと一緒で、対処しやすかった。
ゴブリンよりも動きは機敏で打撃も強く感じたが問題なく薙ぎ払う。
この階層でのモンスター遭遇率は通常に戻ったと弟は言う。
一階層が多かったようだ。
IDC森田さんに報告したのは早まったかもしれない。
しかし、二階層のセーフティエリアに寄った際、ダンジョン内ショップはなかった。
もう出現時間が終了したのか、それとも一階層だけに出現したのか。
この階層のセーフティエリアにいる《挑戦者》たちの数は一階層の十分の一ぐらいだし、アイテムをゲットした!みたいなワキャワキャした雰囲気もない。
この階層には出ていなかったような気がする。
まあ、出現条件はまだわかっていないから私が考えてもしょうがないか。
気を取り直して、三階層へ進む。
ここではアリ型のモンスター。
殺虫剤を使ってみたら苦しいみたいで頭をブンブン振っていたから、油断している隙に腹部を攻撃して倒す。
弟も真似て殺虫剤を使用したけど、自分達の方にも漂ってきて咳き込んでしまったので、二人で慌ててやめた。
あたりを確認するが、私たち以外に近くに人はいないようで安心した。
確か人体には害がないような成分の殺虫剤だったはずだが、人様に迷惑は良くない。一体目で気づけて良かった。
弟に周りを見ていてもらって、「テント」から急いでアイテムの「タワーファン」を出し、空気清浄機能を稼働させる。
大きいモンスターと戦闘出来るだけの広さはしっかりあるが、洞窟内のような場所での殺虫剤使用は封印だ。
こんなことしている間、モンスターにも《挑戦者》にも遭遇しなかった……良かった。
三階層は勉強になった。
これも一応IDC所属者専用アプリに記載しておく。
自分の恥を晒すようで嫌だが、自分への戒めと思って。
続いて四階層。
ここまで特に怪我を負うことなく勧めている。
弟も慣れているから怪我を負わずに倒せている。
以前見た時よりも動きがスムーズになっているような気はするが、やはり素人目なのでそんな気がする程度だ。
この階層では猪型のモンスターが出現。
突進力がすごく、突進をかわしてモンスターが壁にぶち当たると凄まじい音が響いた。
これは食らったら大変だ。
速さもあるが、躱し様に横から突き刺せるだけの余裕はあったのでチクチク刺して弱ったところを突いて倒す。
なんだかもっと良い倒し方がありそうだが、私には思いつかなかった。
今回の目標は十階層まで行って、経験値を多く稼ごうというものだ。
弟も別の中級ダンジョンで六階層までしか行ったことがないので、できれば十階層くらいまでは行きたいと思っているそうだ。
十階層まで行ければ一体の経験値が1,000になる。だいぶ大きい。
だけど、この四階層に来るまでに結構時間がかかってしまった。
モンスターが強くなっているから一体にかかる戦闘時間が初級よりも長い。
そしてダンジョン内ショップに遭遇したのも影響している。
あんなに待ったのに結局何も買わなかったし……
まあ、それは今は置いておく。
マップを見ながら最短ルートで五階層へ。
この階層では大きいダンゴムシみたいなモンスターが出現。
外側の殻?が硬いけど、ひっくり返してしまえば内側は柔らかいから攻撃が通りやすいという情報。
丸まって攻撃してくる前に先手必勝でひっくり返して一突き。
よしよし、まだ対処できる。
何体か倒しながらこの階層のセーフティエリアで少し休憩し、六階層へと進むことに。
時刻は17時過ぎた頃。
六階層まで行って今日はやめようとなった。
六階層のモンスターはなんと岩のモンスターだった。
体の一部を落としてもすぐくっつくという特性があるらしく、核なるものを攻撃しないと倒せない。
分かり易く胸の位置に光る何かがあり、そこを狙えばいい。
しかし、簡単にはいかない。
岩を操って投げてきたり、胸を守る動作をするので倒すのに時間がかかってしまった。
弟もこのモンスターには手こずっていて、打撃を受けていた。
でも私は手出しができない。
なんとか倒して、ポーションを煽っていた。
あまり相性が良くないようだ。
急足でセーフティエリアに向かう。
何体か倒しながらセーフティエリアにつけたのは、19時を過ぎた頃。
もっと早くつけると思っていたが、なかなかに厄介なモンスターだった。
いつも通り、セーフティエリアの端に行き「テント」を出す。
「……疲れたね」
「……」
弟はソファでグッタリ状態。満身創痍である。
私も疲れているが、お腹が空いて空いて仕方がない。
これだけ疲れていたら料理を作る気力が湧かないから買っておいたお弁当を出す。
と言うか、お昼もお弁当を出した。
そもそも作る気が無いともいう。
事前にたくさん購入しておいて良かった。
アイテムボックス(上)のおかげでまだ作って間もない感じだ。
「はい、お弁当。手洗ってきな」
「……」
いらないのかな?とも思ったけど、もそもそと動いて手洗い場に向かっていった。
これだけ苦戦して、明日からの挑戦は大丈夫だろうか?
次の階層に行けばまたモンスターが変わるから大丈夫かもしれないが、戦ってみないとわからない。
最悪一体と戦って、難しそうだったら脱出すればいい。
まあ、一体目に勝つということが前提だが。
あ、負けてもダンジョンから放出させられるのか。
負けたくは無いから情報はしっかり確認しておこう。
というか、核を攻撃するって情報がなかったら今日の戦闘はもっと苦戦していたはず。
もしかしたら負けていたかもしれない。
そう思うと、情報がなかった頃の人たちはもっと大変だったはずだ。
情報のおかげでここまで私たちは大きな怪我なくこられているのだと、改めて情報の大切さを思い知った。
「大丈夫?」
「……大丈夫。でも、疲れたぁ……」
「だね。お弁当食べたら、お風呂でしっかり体ほぐしてきな。それから明日について会議だよ!」
「ああ」と少し落ち込んでいる様子の弟。
明日の挑戦、本当に大丈夫か?
お読みくださりありがとうございます。
明日の更新はお休みで、明後日更新予定です。引き続きよろしくお願いします!




